
寒天橋を過ぎ、九十九折りの道をクネ
クネ行くと、いきなりトンネルが現れた。
旧下田街道を遡ってるので、昔見たのと
反対側の出口?
トンネル脇の小道を上って、八丁池まで
ハイキングしたのはあっち側の入り口
か?
「ココ抜けるの?クルマ、すれ違えないじゃない」
「クルマがなかった時代のもんだからな~、ウマならすれ違えるぞ」
とにかく対向車が来ないように祈りながら、そろそろ進んで向こう側の入り口数メートル手前で停車。
「なんか出そうだな。」
「なんで止まるの!早く行ってよ」
とりあえず、入り口の明かりに向かってパチリ。
トンネルを抜けクルマを下り、振り返って見上げると 右手にはなんとなく見覚えのある石段。
八丁池方面の矢印看板があって、ここだ!ここから登ったんだ。

久し振りのトンネルは、名盤も苔むしてはっきりしないが 昔の面影そのまま。
あの18歳の夏の日、石段を上る前にちょっとトンネルの中に入り
「伊豆の踊り子」の気分を味わってみたいと、同行のおじさんに待ってもらい
「上から水が垂れるから気をつけなよ」と言われながら数十歩中に・・・
「・・・暗いトンネルに入ると、冷たい雫がぽたぽた落ちていた。
南伊豆への出口が前方に小さく明るんでいた」
川端康成の「伊豆の踊り子」の一節そのままの光景だったが、
うつうつとしていたアノ頃、湿った空気とトンネルの暗さのほうが印象に残った。
あれから、かれこれ50年かァ。今、同じ場所に立って・・・
そのアイダにいろいろあったけど、アチラ側からデロリアンでトンネルを抜けきて、
バック・トゥザ・フューチャーみたい。

←そのあと浄蓮の滝を廻り
ワサビ田を見て、
お決まりの渋滞にはまり、
「納得した?」と言いながら熟
睡してるナニとイヌを横に
眠気と戦いながら帰宅して
パソコンで撮った写真を眺め
てたら、
トンネルので中で撮った写真に、リュックを背負った18歳のオレが映ってるやないか!
八丁池への登り口をまえにして・・・
そういや写真を撮ったあたりはあの時、中に入って丁度ユーターンしたところだ。
