あの頃、関越は東松山あたりまでしかできてなくて
 
軽井沢に行くには、東京から3,4時間もかかった。
 
 
 
毎月みんなで積み立てをし、
 
年に一回 七夕の頃 泊まりのゴルフ旅行に行くのがすっごい楽しみだった。
 
 
 
その年も土曜の5時に仕事を終え、 
 
会社の倉庫に隠しておいたゴルフバッグを、ソレッとクルマに積み込んでシュッパ~ツ!
先行組は3時に出ていて、残りのオレ達4人を乗せたボルボは
 
遅れちゃならじと、奴の金色の車体を飛ばした。
 
 
 
 
しか~し一般道は渋滞、しかも前橋の分かれ道あたりで道に迷いグルグル。
 
峠の釜飯も食わずに先を急いだが、雨は降り出し、時間も夜の10時になんなんとしていた。
 
 
 
「おいっ、何時に着くか 賭けるか?」
 
先輩が言い出し、一人500円で到着予測時刻を紙に書いて騒いでると、
 
ようやく太平洋クラブ軽井沢コースの取り付け道路に辿りついた。
 
 
 
 
「お~し、あとはマッスグだ。5分もありゃ着くぞ、飛ばせ~」
 
ゴルフやる前にひともうけできると喜んだのもつかの間、
 
キキィ~~!
 
 
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ボルボは横滑りしながら、スローモーションのようにゆっくりと道路脇に落ちた。
 
雨に濡れた道路は、左に直角に曲がっていて
 
「真っ直ぐ行けって言ったじゃん、それに急ハンドル切ったらひっくり返ってたよ」
 
ボルボは言い訳したが、それよりコレ、どうすんじゃ?
 
 
 
4人で持ち上げようとしたが、重いボルボにゼンゼン歯がたたねぇ。
 
しかも私道で、通りかかるクルマなんかありゃしない。
 
先輩が「お前ら行って、助け呼んで来い!」
 
 
 
仕方なく同僚と二人、アイアイ傘で真っ暗な道をトボトボ
 
クルマなら5分のところを、40分ぐらい?やっとクラブハウスの灯りが見え
 
玄関先には、先行組の連中がみんなコッチを見ている。
 
いくら待っても到着せず、そのうち二人が歩いてきたんで相当驚いたようだ。
 
 
 
全員でボルボを持ち上げ、再びクラブハウスに着いたら日付は替わり
 
いつのまにか雨は止んで星がまたたいてた。
 
じゃ、全員アタリなしな・・・もういいから早く寝てぇ~。
 
 
 
ケータイもナビもなかった時代、高速道路も整備されてなくて
 
遠くへ行くにはスゴク時間がかかった。
 
今は便利な世の中だけど、あの頃のワクワク感が希薄になったのは
 
歳をとったせいばかりじゃないな。
 
 
 
 
毎年一回、七夕の頃にやるんで七夕会と名付けたゴルフコンペ、
 
メンバーも大分変わったけど、今度の土曜に群馬でやるって・・・
 
運転気をつけて行ってこよ。