
だれかがどこかで、河童の靴をはいて踊りに出かける頃、
さつきの上に這い出したカラスウリのツボミが、モゾモゾっと動いて
白い糸のようなものを吐き出す。
昼間の暑さがまだ残っている空が夕闇に包まれ
せみの鳴き声が聞こえなくなってものの数分、
レースのドレスをまとったようなカラスウリの花が誘うように開く。
どこからどうみても妖しい花。
こんなのにからみつかれたら、一巻の終わり?
だけど花言葉は男ぎらい、デキスギや










全身に蚊よけスプレーをかけまくり
風がやんだスキをねらい、息を殺してシャッターを押してたら
熱中症の後遺症か、花のせいか、クラクラ目まいがしてきた。
こういうのに限って一夜花。
翌朝には花の残骸が、まるでダンスパーティーのあとに忘れられた靴のように
さつきの上にポトリと落ちている。