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八百屋の長兵衛さんが、相撲の親方と碁を打つ時

野菜をたくさん買ってもらおうと、わざと負けた。

ご存知八百長の由来も、囲碁の勝負から。



わざと勝つのもむずかしいが

わざとらしく見えないように負けるのもむずかしい。



囲碁の仲間というか先輩に、竹さんという一人だけ飛びぬけたヘボがいて

どのくらいヘボかというと、上の写真のように始まる前に9子を置いて

その上、コミを20目もらっても5回に1回ぐらいしか勝てない。



それでもみんなと碁を打つのが楽しいらしく、毎回参加費を払いに出てくる。

四月に90歳になる竹さんのお祝いを兼ねて、丹沢のふもとの温泉旅館で

一泊囲碁会を計画しているが

「どうする?」

「又、やんなきゃしょうがね~ダロ」



米寿のお祝いの時に、メンバー6人のうち若いほうの3人で示し合わせて

竹さんにわざと負け、準優勝してもらった。

隣で竹さんと打ってた奴が、大げさに”あ~、しまった~”

などとやってるのをニヤニヤしながら聞いてたが、

自分の番になると、とてもそんな演技はできず、かといっておかしいと気づかれても困るのだが

とにかく勝たなくていいんだから気が楽だった。



本人は人を疑うことを知らない人で

”君達もヘタになったね~”と

単純というか純粋に喜んでたが、まあ、そんくらいでなきゃ、あんなに長生きしね~な。



本当は、そのあとの食事会でバラす予定だったが、あまり喜んでるので

ヘタにバラしてショック死されちゃ困る、と言い出せないまま。



あれから2年間、一度も優勝、準優勝にからんでないし、ほとぼりも冷めた頃だ

又、喜んでもらおうとたくらんでいるのだが、

心配は、春分の日の20日、竹さんが現地集合の旅館まで無事に到着できるかどうかということだ。