いつも色とりどりの、季節の花が咲き乱れていた。
無口なご主人が、良くしゃがんで庭仕事をしていて
時々声を掛けると、タネから育てた花苗や
咲いている花をわざわざ切ってくれた。
そのご主人が突然に亡くなって、あしかけ四年・・・
先日帰宅すると、ナニが
”隣の奥さんから戴いた”
と、花瓶一杯の花を指差した。
ご主人が花作りに精を出す横で
水やりぐらいしかしてなかったように見えた奥さんが
亡くなった翌春から、同じような格好で土いじりを始めた。
毎年、花数が多くなって、
今年は、たくさんの花が見事に咲いている。
昨夕、姿を見かけて花のお礼を言うと
「私が育てたんじゃないみたいでしょう」
返事に困った。