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火付け盗賊改め方の長谷川平蔵がいつものように、両国橋のたもとを歩いておりますと、一日の商いを終えたであろう富山の薬売りが足早に平蔵の脇を通り抜ける。
向かい側から水商売らしき一人の女。この二人が橋の上ですれ違うというその時、薬売り屋の身体が前のめりに崩れ落ちる。
「もし、薬売りさん、怪我はなくて?」
「へえ、お蔭様で」
「あ~、丁度良かった。私、近頃眠れなくって、なにか良い眠り薬はないかい?」
「生憎眠り薬は扱ってないんで、朝、すっきり起きれる薬ならありますが・・・富山の薬は”おき”薬」

その火付け盗賊改め方の長谷川平蔵がいつものように、両国橋のたもとを歩いておりますと、一日の商いを終えたであろう虫売り屋が足早に平蔵の脇を通り抜ける。
向かい側から水商売らしき一人の女。この二人が橋の上ですれ違うというその時、虫売り屋の身体が前のめりに崩れ落ちる。
「もし、虫売り屋さん、怪我はなくて?」
「へえ、お蔭様で、けれど、虫かごからかぶと虫が逃げ出しちまったようで」
「それでいいから、一匹売っておくれ」
「でも転んだおかげで、てんとう虫になっちゃいました」

その時、長谷川平蔵は、両国橋から相生町竪川沿いに二つ目橋を渡り、一目散に目指す弥勒寺の山門を駆け抜け、奥の厠へと駆け込んだ。厠でほっとする平蔵であったが、あたりを見回すと紙がない。
ここは寺ゆえ、仏はあるが・・・”神”はない。
「誰かおらぬか?紙はないか?」
と叫んでおりますと、そこへ坊主が
「何枚だ~、何枚だ~」

昨日の「笑点」で柳家紫文(シモン)がやっていた。
うろ覚えで正確ではないが、これを三味線と一緒に語る口調にいい味があって三味線巷談とでもいうのか
近頃のお笑い芸人とはちょと、違う。