今朝、玄関を出ると、ヘヴンリーブルーという名の西洋アサガオが咲き出していた。
朝日に水色が透き通るよう。
このアサガオを知ったのは、5年前の上野さんの一周忌の席だ。
オレの園芸好きを知っていた上野さんの奥さんに
ヘヴンリーブルーっていう朝顔があるの。それはきれいな水色の花が咲くので是非、植えてみて」
と言われた。
上野さんは会社のお客さんで、オレとは親子ほども歳が離れていたが、
若い衆をかわいがってくださり、初めてゴルフに連れていってもらったのも上野さんだった。
もう30年も前になる。バンカーは均らせ、グリーン上では走るなと一から教えてくれた。
ゴルフを引退してからは、皆で自宅に伺い「碁会」をやった。
北海道出身の上野さん宅では、旬の北海の珍味が奥さんの手料理で出てきて、
そちらの方が目当てじゃないかと言い合ったものだ。
初めてヘヴンリーブルーを植えた年、夏に咲き始めた「天上の青」は霜が降りる頃まで咲き続け、
天国から上野さんに見張られているように感じた。
それから毎年、種をとって、蒔いている。
もうひとつ、一周忌の席で奥さんがそっと立ってオレの傍にきて
「あの碁盤、もらってくださいね」
足のついた立派な碁盤がオレの部屋にある。