【読み物】超・格差社会アメリカの真実

小林 由美
超・格差社会アメリカの真実
格差社会って言葉が主にマスコミによって半ば強引にはやり言葉に祭り上げられてる感があるニッポンですが、元祖、格差社会のアメリカ。しかし、その格差の生まれる構造はニッポンとだいぶ違うみたいです。
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内容(「BOOK」データベースより)
アメリカの豊かな中流家庭は、なぜ貧困層へと転落したのか。富の6割が5%の金持ち層に集中、国民の3割が貧困家庭。日本の明日がここある。
内容(「MARC」データベースより)
富の6割が5%の金持ち層に集中。国民の3割が貧困家庭。アメリカの豊かな中流家庭は、なぜ貧困層へと転落したのか。日本もそうなるのか? アメリカ社会の構造とその生成過程について、自らの経験と知見をもとに検証する。
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著者はニューヨークとシリコンバレーで日本人初女性エコノミスト、証券アナリスト、コンサルタントとし26年間活躍してきた方だそうで、説得力としては申し分ないでしょう。
なんせ、実際アメリカに長く住んで働いてんですからね。
身近な人たちのケースを通じて格差を説明するくだりは説得力があります。
さすがエコノミストだけあって経済系の各種データも多数出てきますが、決してマクロな分析だけにとどまらず、先に述べた身近な人たちのケース・スタディや、アメリカの建国以来の歴史的な経緯を通じてのアメリカ社会の構造解析など、眠くならずに興味深く読み進められる内容になってます。
気になったのは、学の少ない自分にとってはたまに???な用語が出てくるところ。特に経済とキリスト教関係は厳しかった。
レッセフェールとか、メソジストとか、バプテストなんてのを、Wikipediaしまくりですわ。
あと、ちょっと詰め込み感はありますね。言いたいことはシンプルなんだけど、その主張を際立たせるべく、いろんなエピソードがドップリとふりかけられてる感じ。
この本を読んでつくづく思うのは、やっぱり、教育ってのは大事だなあ、と。
そういう意味では、現政府の教育改革重視は着眼点としてはいいと思うんだけど、内容はいろいろな批判や紛糾があるみたいですね。
教育改革の内容は不勉強なので論ずることができないが、こういう本を使ってアメリカの歴史や社会構造を紐解くっていうのも、ほんとはアタマも自分の将来像も新鮮な若いころにこそやっておくべきことであるような気もする。
1192つくろう鎌倉幕府、なんて現代では特に役にも立たないし、実は正確な事実でもないようなことを一生懸命暗記するよりはマシでしょう。きっと。