東京国際ブックフェア2006 其のニ
コンパニオンギャルじゃなくてすみません。
モーターショーと違って、そんな派手な人はいませんでした。
でもIT系のブースもあったんで若干はそれらしき人たちはいましたが…
ギャルではなくて、その正反対とも言える世界の人、松下幸之助さんです。
いわずと知れた経営の神様ですね。
この人が創設したPHP研究所は、いろいろ良書を出しているビジネスマンご用達の出版社でもあります。
なんとなくブースも格調高くて、背筋が伸びる感じでした。

「ナウのしくみ」以来、大ファンなんですよね。ワタシ。
街歩き自体も、この人のコラムを読んで好きになったくらいですから。
コラムが有名ですが意外と小説もよくて、「ヴァンサンカン」とか「あやふやな季節」とか「Partyにようこそ」なんかは、時代背景が自分とずれてるにも関わらず、デジャヴ感を強烈に感じたのを覚えてます。なんとも言えない、浮遊感がありましたね。この人の文章は。
自著「東京検定―ぐんぐん東京力がつく厳選100問」のプロモーション企画っぽいです。実際、会場で来場者向けにクイズ企画をやってました。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
出版社/著者からの内容紹介
マニアックかつ愛ある視点での街エッセイで東京ファンから熱い支持を集めるコラムニスト・泉麻人による待望のご当地検定・東京版。
鉄道、地名、地理などの定番テーマはもちろん、東京小説、事件、東京におけるチェーン店の分布図や23区の区歌など、マニアックな視点から繰り出される厳選100問を解き終えたとき、知らなかった東京が姿を現す。
巻末には、泉麻人公認の東京力判定、オリジナル検定修了証を用意。すべての東京ファン必読の新たなバイブルが誕生した。
山手線の駅の中で、唯一東京オリンピックよりあとにできた駅は?ゴジラに最初に破壊された物件は何か?……1200万人が暮らし、日本中から、世界中から人が集まる東京には、様々な謎と発見にあふれている。
内容(「BOOK」データベースより)
東京観察歴50年。マニアもうなる慧眼で、街の魅力を引き出し続ける東京ウォッチャー、泉麻人による上京間もない大学生から、生粋の江戸っ子まで、すべての東京ファンに捧げる究極の問題集。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

ブックスキャナだって。
機械がばらばらとページをめくりながら本の中身をデジタル化できます、というシロモノ。
先端科学の塊でありながら、動力で本をめくるっていうファニーな仕掛けが面白いです。
他にも、製本屋さんとか印刷屋さん、CDやDVDのオーサリング屋さんなんかが多数出展していました。
あと顕著だったのが、ケータイ電子ブックの台頭。
(株)ボイジャーの“.book(ドットブック)”、(株)セルシスの“ComicSurfing(コミックサーフィン)”、シャープ(株)の“C-XMDF”という3つのファイル形式が存在し、しのぎを削っているようです。
出版業界にも、激しくデジタル化、インターネット化の並が押し寄せているのですね。
あんなちっちゃい画面でどうやって読むの?と言いたくなりますが、そこは世界に冠たるケータイ王国日本、狭いスペースの活用は大得意だと思うので、存分に競争して1つの分野として確立してほしいし、我々消費者としても機能と価格とスタイルを追求して、ケータイ文化をさらに花開かせたいところです。

出版業界から反発や物議をかもし出している“Googleブック検索”を出版社向けに解説するということらしいです。
会場の端っこでひっそりと目立たずに出展。警戒されていることがにじみ出ていますね。
実際、会場内で入手できる業界紙「情報春秋」においては、
「グーグルと出版界の行方~「ブックサーチ」は出版の未来を開くのか」
「グーグルは出版の敵か、あるいは?」
「国ごとに微妙な温度差~「売上増大に貢献」は評価」
「グーグルブックサーチ提案の波紋」
といった記事があったりして、揺れ動く出版業界の心理状態が見て取れます。
ワタシは紙媒体の本というメディアは当分残るだろうと思ってます。
本には本の良さがありますからねえ…なんせ、読むのに電力いらないし。
ま、新しいイノベーションが台頭する時にはいつでも既存勢力の反発がつきものなので、いま出版界で力を持っている重鎮の皆様が引退するころには、自然に主役交代するでしょう。
それまでは共存しつつ緩やかに移行を模索、といったところでしょうか。
イノベーションのサイクルって、技術革新だけでもなくて、案外この人間の世代交代のサイクルなんじゃないでしょうかね。

泉 麻人
東京検定―ぐんぐん東京力がつく厳選100問
