【読み物】虚飾の愛知万博 | 本を片手に街に出よう

【読み物】虚飾の愛知万博

著者: 前田 栄作
タイトル: 虚飾の愛知万博

 出張ついでに寄ってみようかな~程度の興味で、情報でも仕入れておこうと思い書店をうろついていたら眼にとまり衝動買い。

 

 著者は愛知県出身。故郷を愛する故か?万博の矛盾を糾弾しつつも、是非愛知に来てくれ、という複雑な心境をのぞかせる主張である。


 内容はと言うと…暴露大会。利権やドタバタをこれでもかというくらいに陳列。まるでバブル期やゼネコン黄金時代のような、超バラマキ行政をぐりぐりと穿り出して語っている。

 問題点をこれでもか、と掘り下げることについてはかなり克明であり、第三者的に読めば面白おかしくも読める。が、テーマが既にやってしまったことなだけに解決策がなく、救いようがない。

#光文社のこのシリーズ、何となく問題をあおって終わるパターンが多いような…まあ興味深く読めるからいいけど。

#あと英語が混ざっている表記は自慢げに特徴だと主張しているがやめたほうが良い。ペーパーバックス(洋書の小説みたいなやつ)や横書きはいいんだけどな。

 最後は愛知県破産警告。愛・地球博ならぬ、愛知・窮迫だって。ウマイね!(感心している場合ではないけど…)

 

 愛知と言えばトヨタ。地元じゃトヨタ幕府なんて呼ばれているそうですね。いやあ今や日本の、いや世界の超優良企業になったトヨタに対して批判的とも受け取れる文章を書くのもある意味勇気が必要だったろうな。中部国際空港にそんな裏話があったのね。流石トヨタの世界戦略は抜け目がない。

 

 この本を読んだら、かえって万博に行きたくなる。

 実は超巧妙な手口のプロモーション企画本なのか?