SWORDFISH

タイトル: ソード・フィッシュ 特別版
マトリックスで有名な、画面ぐるぐる撮影(名前がついていたようが気がするが…忘れた)を冒頭にどかん!と持ってきて度肝を抜く演出がウリ。
この映画はキャストがいい。
ジョン・トラボルタ
見た目から台詞から、全てにおいて自信たっぷり怪しさ満開だがカッコイイ!この人の悪役はいいね。
冒頭シーンにおける、狙撃手はいるわ、武装警官はうじゃうじゃいるわ、ヘリは飛んでるわで、完全包囲された店内で、
「今のアメリカ映画に足りないもの、それはリアリズムだ。20人30人と人質が死んでいく姿がリアルタイムで世界に中継される…それが現実だぜ。じゃそろそろいくか」
とか何とか、映画批評に引っ掛けて、いろいろ引き合いに出しながらグダグダいうシーン、すでにこの時点であなたの魅力の虜です。何でそんなヨタ話をカッコよく出来るの?役者だね~
ヒュー・ジャックマン
60秒クラッキングシーンがイカス(最後にPCをくるりん!とやるところが)。こんなイケメンのクラッカーはいないかもね…でもちゃんと野暮ったさは出ているし、面倒に巻き込まれていく戸惑いみたいな雰囲気が随所に見られ、上手だな~という感じ。
ハル・ベリーのヌードを見てしまい動揺する演技もお茶目である。
途中で、侵入プログラムを作成しているシーンは若干クールさに欠けダサいが。
#個人的には次期ボンドはこの人がいいと思うんだが…
ハル・ベリー
敵なのか味方なのか良く判らない峰不二子的雰囲気は出ていると思う。ゴルフショットで下半身をキュッキュッ!とやるところなんかはベタベタだけど。
でもどこか健康的で色っぽいって感じじゃないんだよね~この人。
ドン・チードル
刑事さん。ひたすら刑事さん。トラフィックの時も思ったけど、この人ほんと刑事役が似合う。味のある演技は健在。
映画そのものはというと、つっこみどころ満載である。
特にコンピュータ関連におけるテクニカルな部分は業界人から見ると「んなわきゃないだろ!テキトーにも程があるぞ!」なんだけど、それはそれ、エンターテイメント映画なので。
フィンランド出身のハッカー「トーバルズ」とか、知っている人は思わずふきだしてしまうパロディも。
#フィンランドでトーバルズときたらLinux。作中にもLinuxらしき画面が出てきますね
国際テロリスト「ビン・ハザード」は狙いすぎ&キワどすぎ。公開時期を考えたらよく公開できたなと驚く。
#悪には実力行使でどんな手段を使ってでも戦うぞ…
#もしかして国策?ラストシーンも差し替えたっぽいし
という訳でエンターテイメント性は高いがリアルさはなし。
冒頭のトラボルタが「今のアメリカ映画にはリアリズムがない」と言っているのは、この映画自身を思いっきり皮肉ってるんですね。うーん、なかなかレヴェルが高いジョークだね。
しかし昨今の現実の世界は正に「事実は小説より奇なり」。
地下鉄サリン事件の犠牲者の方のご冥福をお祈り申し上げます。
また被害者支援の制度が一刻も早く整いますように。
#せめてカンパとかしたいのだが、そういう組織、ないんでしょうか?
BGM->KRAFTWEAK"The Mix"1991
劇中に出てくる"Trans Europe Express"のRAVEバージョンが滅茶苦茶かっこいい。CD化されていないのかな?