【小説】星を継ぐもの | 本を片手に街に出よう

【小説】星を継ぐもの



著者: ジェイムズ・P・ホーガン, 池 央耿
タイトル: 星を継ぐもの

 超有名「SF」。
 ハードSFだが、まさに醍醐味を味わえるという点で、SFを初めて読む人にも薦めたい。

 最近話題のZガンダム映画版のサブタイトルを始め、様々な作品で引用されていることからも分かるように、何となくカッコイイタイトルである。
 また、超時空要塞マクロスというアニメが本書のプロットをそのままパクってしまっているというのは結構有名な話らしい。
#Zガンダム効果で最近この本また流行ってる?平積みしている本屋さんが複数あった…


 月面で発見された真紅の宇宙服をまとった死体、それはまぎれもない現代人だった。しかも推定死亡時期は5万年前!
 知的好奇心を思いっきり刺激する導入。
 そして、人類の起源、地球の起源の謎に迫る、壮大かつ深遠なストーリー展開が続く。

 死体はチャーリーと名付けられ、さまざまな分野の科学者が集められて彼と遺留品の調査が始まった…現代人を上回るテクノロジー。所持品の手帳その他からはどう考えても地球人とは思えない観察結果が出てくるが…調査が進むにつれて、明らかになっていく驚愕の事実と、更なる謎。

 謎が謎を呼んで、袋小路に陥りそうになっては、また新たな事実がもたらされ推論が展開されていく…典型的なミステリーなのだが、極めて知的であり、そのスケールは太陽系レベル。
 生物や物理って苦手だったけど、素晴らしい学問だよね…でも一番素晴らしいのは我々人類の不屈の信念・意思・行動である!ということが分かる本。

 最後の、ハント教授のレポートとダンチェッカー教授の演説で全ての謎が明らかになる。だが読み急いではいけない。
 この本の醍醐味は、登場する学者達とともに、仮説を考えながら「いや?まてよ?まさか…」というのが楽しいのだ。

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