【漫画】BANANA FISH | 本を片手に街に出よう

【漫画】BANANA FISH



著者: 吉田 秋生
タイトル: Banana fish (1)

 吉田秋生の傑作長編。
 この人を知ったのはカリフォルニア物語をふとしたことで読んで。当時まだ10代前半だったので、結構衝撃を受けた記憶がある。
 ジャンルで言えば少女漫画であっても、この人の作風は少女的メルヘンからは程遠い独特のドキュメンタリー的クールさがある。
 本作も、いきなりベトナムで銃乱射、NYダウンタウンでのストリートギャング。少女達もビックリ仰天だったろうな…

 主人公のアッシュはありえねーくらいの出来すぎキャラだが、周囲をとりまくキャラ達はほんと、あー確かにこんな奴ハリウッド映画に出てくるよね…という味のある人達。

 BANANA FISHとそれをとりまく謎が明らかになる中盤から終盤に行くにつれて、謎解き、国家的陰謀の側面から、マフィアや傭兵、元KGBまでが入り乱れてのアクション色が強くなっていくが、同時に際立っていくのがアッシュと日本人青年エイジの友情というか、殆ど純愛に近い描写。この辺がやっぱり少女漫画なんだろうな。少年モノはフツー強さ比べ、ドラゴンボール状態になっていくもんね。

 もともと二人の住む世界は全く違う。全てに決着がついて、彼らにも別れの時がやってくる。
 普段はマシーンのように冷静・冷徹で一分の隙もないアッシュが、最後のエイジからの手紙で動揺し唯一隙を見せたその時!うーん…切なくも感慨深いラストシーンである。


BGM->Heart"Brigade"1990