【小説】幼年期の終り | 本を片手に街に出よう

【小説】幼年期の終り

著者: アーサー・C・クラーク, 福島 正実タイトル: 幼年期の終り


 SFというより、神話的。←神話読んだことはないのであくまで「そんな感じ」ですが


 以下、超あらすじ(ちょっとネタばれあり)


 全てにおいて人類を超越した存在"上帝"(The Overlords)というのが出てきて、人類を戦争なき高度な文明世界(しかし上帝の統治する世界)にいざなうが、結局それは人類の次の進化に対する準備であり、上帝もまた更なる上位意思のもとにその役割を担っているにすぎなかった…

 そして人類の次の進化("変態"metamorphoseと表現されていたが)とは、もはや物理的なものではなく…


 ここから、感想


 なんともいえない読後感。なんかこう、今悩んでいることが小さいことに感じられるような…

#実際、明日の進捗報告をどうやりすごすかといった鼻くそレベルな悩みなのだけど!
#…そんな自分のちっぽけさに、悲しみが…



 Amazonの感想に「外に出て夜空の星を見上げたくなる(byハピカさん)」と書かれていたが、まさに自分も見上げてしまいましたよ!夜空を見上げても東京の空なので星は見えないのだが、宇宙の広大さ、偉大さに少しでも思いをめぐらせたく…


 シチュエーションとしては、例えば小笠原諸島に旅行した際に読みたい。

 要は、満天の星空と、静寂があるとベストな読書環境であるということだ。


#小笠原諸島、行きたいですな!南島とか…まさに、「別の惑星に来たような感覚」との評あり!
#仕事さえどうにかなれば…(小笠原旅行は原則1週間単位、かつ台風が来ると船が欠航になるので仕事に穴をあけるリスクは高いのだ)



 物語途中まで"上帝"は姿を見せない。で、人類に君臨して50年たってから、その姿を現すのだが…これがまた「そうきたか!」という展開。

#欧米人だともっと驚くのかもしれない


 最後の描写を説明的文章にせず、"彼"に語らせたところにもセンスを感じる。


 正直、途中は読むのがかったるいところもあるのだけど、p.300前後から以降からラストまではかなり「くる」

#心の深層に訴えるというか、幽体離脱感というのか…My辞書にはない、表現できない感じ


 昼間読み終わりそうだったら、わざわざ途中でやめてでも夜に読了するよう設定するべき一品。



BGM->TM NETWORK"Self Control"1987

収録曲"Fool on the Planet"が本書プロットと思われ、気分でます。
また、この人たちのアルバムで"CHILDHOOD'S END"というのがありますがそれはたぶん本書からとったものでしょう。