【小説】ラスコーリニコフの日

本当は、雨というよりも月曜日だから憂鬱なのだが。
久々の休日が雨で外に出たくない状況であった為、以前読んだ本を読み返したりして過ごした。「ラスコーリニコフの日」佐々木 敏、2003年。
この作品は、最近、容疑者が不起訴になったりして若干話題をふりまいている警察のえらい人が狙撃された事件や、ちょっと前にテレビを占領していた拉致国家に絡んだ陰謀を描いた小説で、膨大な情報に裏打ちされた、「本当にこういうことだったのか」と思ってしまうほどの現実感が、驚愕や怖さを感じさせる。
他でも同様な感想を見かけるが、この人の作品はどれも映画にしたら、良いものが出来ると思う(但し日本の製作では駄目ですね…「中途採用捜査官」だけは「踊る~」を意識しているようだけど)
作者が発行しているWebサイトやメルマガも面白い。また、最初の2作品「ゲノムの方舟」「龍のペルソナ」は文庫本サイズで再発売になった。
世界史や国際政治、安全保障問題など、勉強にもなる。恥ずかしながら地政学という言葉はこの人の書いたものを見てその存在と意味を知った。
読み始めると引き込まれて一気に読めてしまう。長雨には持ってこいだ。
BGM->a-ha"Hunting High and Low"1990
(最近音楽配信サイトで提供開始され、あまりに懐かしくて買ってしまった)

著者: 佐々木 敏
タイトル: ラスコーリニコフの日