ピロさんが通う保育所のサンデッキは、20年前に保護者の有志により手作りされたものだそうだ。

 

そのサンデッキも老朽化し、今年中に新しく作り直されることとなった。今度のは保護者の手作りではなく、市が税金使ってしっかりと作ってくれることになったらしい。公立保育所だからな。

 

保育所からサンデッキ改修工事のプリントをいただくとともに、保護者会からもサンデッキ改修に関するお便りが配られた。

 

 

保護者会からのお便りは、事務連絡というより、20年間、歴代保護者会に守られたサンデッキへの想い、子どもたちの遊び場、憩いの場としてそこに在り続けたサンデッキへの感慨が主な内容であった。

 

このサンデッキを保つため、毎年ニス塗りという作業が保護者会活動の中に組み込まれていた。

しかし今度の改修により、そのニス塗り作業も今後は不要になるのだとか。

 

「おお!そりゃ保護者の出番が一つ減って良かったじゃん!サンデッキは新しくなるし、仕事は減るし、めでたいめでたい!」と一瞬私は喜んだのだが、保護者からのお便りは、こんなふうに結ばれていた。

 

“今後は、ニス塗り作業に替わる活動を何か考えようと思います”

 

…えーどんだけー…って、ちょっと脱力しちゃいましたよ。

いやあ…すごいね。素晴らしいよ。

みんな偉いなあ。

減った仕事をわざわざ増やすんだー。

 

これでね、楽になって良かったねと喜ぶ私と、保護者としてできることをやっていきたいという人たちとの、人間の出来具合の差が顕著になったよ。

 

我が子を預けてるのだから、子どものため、お世話になってる保育所のため、一肌脱ぎますよと。当然でしょと。

 

どう考えても、そっちの方が意識が高くて美しいので、みんな賛同していくのだろうなあ。

 

コロナ禍でいろんな行事が短縮されたり省略された一年で、私にとっては非常に過ごしやすかったのだけど、「早く元の生活に戻りたい」と言ってる人も多くて、きっとコロナが落ち着く兆しを見せれば、続々と慣例、風習、馴れ合い、“やらねばならぬ!”の行事が復活してくるのだろうな…と、来年以降を想像すると、もう消え去りたくなる。

 

サンデッキのお手紙は、「私はこの世に不向きだなあ」と、つくづく思った一つの事例でございました。

 

自由参加という、みんなの気持ちに寛容さとか自由さがあるなら居心地もいいんだけど、どんなものも、いつのまにか義務が暗黙の了解になっていくじゃん。

反論しにくい美意識によって。

 

追い詰められるような窮屈さがたまらん。

ええ。私がクズなのがいけないんですよ。