朝開き 漕ぎ出て来れば 武庫(むこ)の浦の 潮干の潟に 鶴(たづ)が声すも 【万葉集巻十五 3595】
訳)朝早く 船を漕ぎ出して来ると 武庫の浦の 潮の干潟に 鶴の声がしている
今朝も楽しみにかよっている万葉集の講座へ。
写真は今朝。
巻十五、遣新羅使人の歌群より。
これらの歌は、遣新羅使の船が漕ぎ出して、就航してからの作とのことで、
時期は、6月から7月7日(太陽暦では8月17日)だそう。
鶴が飛来するのは、10月下旬、3月下旬には去るので、
この歌が詠まれた真夏、本州に鶴はいるはずがない。
万葉集中、鶴(タヅ)は、白鳥、コウノトリ、青サギのような大形の鳥の総称として用いられる。
ツルは、高音かつ大声で鳴くことができるが、
コウノトリは、鳴かない。
青サギは、非常に声が悪いらしい。
それで、やはり、鳴いている鶴を歌っているとすれば、タヅはツルとしか考えられない。
この歌は、実景を詠んだものとは言い難い。
遣新羅使人歌の「タヅ」は「鶴の生態に無頓着であった家持によって添加された可能性を高く持つ」という説も。
なにも考えずに、読んでるだけだと、すーっと通り過ぎてしまうことも、
こうやって、教えていただけると、わーと思います。
わーと思う、とは、あんまりですが、本当に、いつも楽しくかよっています。
そんな久保田洋司、明日から、3日間、バースデースペシャルライブです。
明日のチケットは、ありますので、
よろしければ、遊びにおいでください。
ソロナンバーを中心に、弾き語りでお送りします。
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50歳については、「あじっさい(紫陽花)」などと言って、一人遊びしていましたが、
51歳については、「五十一切合切」というのを、考えました。
52歳なら、「ご自由に歳」。
53歳なら、「五十山菜取り」。
とにかく、明日は、あじっさい最終日ですから、有終の美といきたいところです。
がんばります。
今日ももうすぐ夕方。きれいな夕陽をどうぞ。
美しい明日へ心をこめて歌っています。
洋司