飛ぶ鳥の 明日香の川の 上つ瀬に
生(お)ふる 玉藻は
下つ瀬に 流れ触らばふ
玉藻なす か寄りかく寄り なびかひし
嬬(つま)の命(みこと)の たなづく 柔肌(にきはだ)を
剣大刀 身に副(そ)へ寝ねば
ぬばたまの 夜床も荒るらむ
そこ故に 慰めかねて
けだしくも逢ふやと思ひて
玉垂れの 越智の大野の
朝露に玉裳(たまも)はひづち
夕霧に衣は濡れて
草枕 旅寝かもする 逢はぬ君故
【万葉集巻二 194】
訳)(飛ぶ鳥の)明日香の川の 上の瀬に
生えている玉藻は 下の瀬まで 流れて触れているが
その玉藻のように 揺れて寄り添い 横臥(おうが)された
夫の皇子の 重なって寝た 柔肌さえも
(剣大刀)お身に添えて寝ないので
(ぬばたまの)夜の床もすさんでいることであろう
そのために 御心を慰めるすべもなく
ひょっとすると夫君に逢えないかと思って
越智の大野の
朝露に 裳はびっしょりに濡れ
夕霧に 衣はしっとりと濡れて
(草枕)わびしい旅寝をなさるのか
逢えない夫君ゆえに
柿本人麻呂作の挽歌ですが、
共寝のさまを二重写しにしたような表現が、
美しくも艶っぽく、
また、もう逢えない人を思って旅寝する場面が、
また、悲しくも、さらに悲しくも、色っぽくて、
すごいなぁと思いました。
藻がゆらゆらするように、
寄り添い合って、ゆらゆらと、
柔肌を触れ合って共寝。
それが、なくなった寝床のすさみよう。
後半なども、切なくて、きゅっとなります。
綺麗な水の流れのなかに、揺れる藻は、
美しくて、生命力も感じられたことでしょう。
それで、共寝のさまを表現するなど、
やはり、共寝の時は、真っ暗とはいえ、
月の明かりで、見えていた、
あるいは、夜にかぎらず、
明るい光の中でも、生命の輝きを謳歌した、
などと、勝手にいろいろと想像は膨らむことでした。
夏の間、万葉集の講座も、夏休みがありましたが、
その間、先生は、「学生になったように東歌を勉強」されたそうで、
来週は、その総集編とのこと。
東歌というものが、どういう存在だったのか、
非常に楽しみです。
そんな久保田洋司、今夜は、田中ミツルライブへ。
思えば、2年前の春、福岡で、ミツルさんと三十年近くぶりに再会し、
もう、歌はやめていたというミツルさんに、
また、歌ってと、お願いしてから、
ミツルさんは、メキメキ復活。
昨年の夏、長江健次さんのツアー福岡公演で、ステージにも返り咲き、
そこからの活躍も目を見張るものがあります。
今夜楽しみに伺います。
ご興味ある方、こちらです↓
*************
AAA Presents「田中ミツル 東京再上陸!!音楽界のシンゴジラが今吠える!!」
日時:9月9日(土) 18:30 開場/19:00 開演
出演:田中ミツル (vo g)
会場:東京・世田谷「エムズ・カンティーナ」
世田谷区上馬4-4-8 新町駒沢ビル2階
(東急田園都市線・駒沢大学駅 徒歩1分)
料金:予約 3000円/当日 3500円 (自由席•1ドリンク代別途必要)
ご予約&お問合せ:「エムズ・カンティーナ」03-6450-8111(留守番電話対応)
予約フォーム:https://ws.formzu.net/fgen/S13353355/
***********
今日の写真、先日のYOYO部ライブより
兎と鼠と犬(スヌーピー)が写ってますね。
今日も良い一日になりますように。
美しい明日へ心をこめて歌っています。
洋司