月変へて 君をば見むと 思へかも 日も変へずして 恋の繁けむ 【万葉集巻十二3131】

訳)来月まであの方に逢えないと思うからだろうか 一日も経たないで しきりに恋しい

今朝は楽しみにかよっている万葉集の講座へ。

巻十二の「羈旅(きりょ)にして思ひを発(おこ)す」から、今日は17首、素晴らしいお話をたっぷり。

羈旅歌とは、ネットで調べてみると、これ↓
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世界大百科事典 第2版の解説

きりょか【羈旅歌】

旅に触発された種々の感情を主題とする歌。羈(羇)は旅,旅やどりを意味し,羈旅という語は《周礼》《楚辞》などの漢籍にも見えるが,中国では詩の分類用語としてはおもに〈行旅〉の語を用いる。日本で羈旅歌の名称が最初に登場するのは《万葉集》で,旅先の地の景観や家郷,家人への思いを述べた歌を主とし,主要な作品として巻三の柿本人麻呂高市黒人(たけちのくろひと)の羈旅歌8首などがある。また巻七,十二では部類名としても見えているが,雑歌(ぞうか),相聞(そうもん)などの主要な部立の下位分類名として用いられているにすぎず,旅の歌がいまだ独立の部門と意識されていないことを示している。

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旅と旅行では、ニュアンスが、ちょっと違いますね。

先生が面白くおっしゃったのは、

可愛い子には旅をさせよ、と

可愛い子には旅行をさせよ、とは、違いますね、と。

万葉の当時は、仕事などで自分の家以外のところに泊まることを、旅と言いました。

農作業のために、畑の近くに庵を作って、そこに泊まるのも旅、

主君が国司として、数年、地方に派遣されると、

そこに同行してその地で仕えるのも旅、

あるいは、宮廷の宿直みたいなことも、

旅と言ったそうです。

いずれにしても、今みたいに、電話もメールもない、

手紙は、木簡みたいなものがあったでしょうか、

歌のやり取りは、使いの者が運んだり、

次に旅する一行に運んでもらったりということだったり、

とにかく、一旦離れると、連絡など、ほとんど取れない状態で、

恋人同士など、恋しさつのることだったでしょう。

吾妹子し 吾を偲ふらし 草枕 旅の丸寝(まろね)に 下紐解けぬ 【巻十二 3145】

訳)吾妹子が わたしを思っているらしい (草枕)旅の丸寝で 下紐が解けた

丸寝(まろね)とは、衣服を解かずに寝ること。

学研全訳古典辞典に、丁度解説があります。

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した-ひも 【下紐】

名詞

腰から下に着用する裳(も)や袴(はかま)などの紐。

出典万葉集 三一四五

「旅の丸寝(まろね)にしたびも解けぬ」 

[訳] 旅で衣服を着たまま寝たのに袴の紐がほどけてしまった。

参考

『万葉集』では「したびも」。上代には、下紐が自然に解けるのは、相手から思われているか、恋人に会える前兆とする俗信があった。用例の歌はそれを詠んでいる。また、男女が共寝した後、互いに相手の下紐を結び合って、再び会うまで解かない約束をする習慣があった。

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袖を折り返して寝ると、夢で思う人に会える、とか、

相手が夢に出てくるのは、相手がこちらを思っているから、とか、

眉毛がかゆくなると、恋人と会える前兆、とか、

雲が沸き立つのを見れば、大好きなあの娘が自分を想ってるんだ、とか、

もう、いろんなことを良いことに結び付けたい気持ちでいっぱいだったんでしょう。

恋は、今ここにいないものを乞う(恋う)気持ち。

だから、目の前に相手がいれば「恋しい」ではなくなるわけです。

旅の歌には、この「恋しい」がいっぱいですよ。

さ、そんな久保田洋司、

気がつけば、明後日、YoNaGaの「万YoNaGa博覧会」。

YoNaGaにまつわる展示物と、トークと、ライブをお送りします。

普段、ライブで使ってる譜面や、

僕など特に、いつも歌詞を書いてるノートをそのまま展示。

YoNaGaの歌詞はもちろんですが、別の歌詞も、書いてあります。

ジョンレノン・ミュージアムに、展示されてたジョンのノート、

レプリカでも、ジョンが、歌詞を書くときに、ノートの隅に韻をふむ言葉を羅列していたり、

歌詞の前後が、最終形と入れ替わっていたり、

ぐしゃぐしゃっと消して、新たに書き直していたり、そういうところを、

見られたのは、非常に嬉しいことでした。

あるいは、前に書いた、太宰の原稿にしても。

ま、そういう歴史的なものと比べるわけではありませんが、

今回は、特別に、今、制作に使ってるノートをそのまま展示。

制作過程も垣間見られるわけですが、

完成形だけ見聞きすれば良い、という方には、あまりお勧めしません。

YoNaGaも皆様のおかげで、続けて元気に活動しています。

感謝の気持ちをこめての、このイベント、明後日、お昼、原宿ストロボカフェへ。

今日は、これを書きだしてからもう5時間近く。

ま、間に、いろいろやりつつですが、

すっかり夜中です。

はやめにあたたかくしておやすみください。

まろねでも良し。

素敵な夢を。

美しい明日へ心をこめて歌っています。

洋司

以下、YoNaGaのブログより、明後日の「万YoNaGa博覧会」のお知らせです。

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『万YoNaGa博覧会』
2015
314日(土)原宿

 演: YoNaGa
 場: 原宿ストロボカフェ
     (http://www.strobe-cafe.com/harajuku/ 
  渋谷区神宮前1-20-13ディアテックビル1F
     03-6447-4495
OPEN  12:00 START 13:00
開場後30分ほど公開でリハーサルをおこないます。
今回のライブ中、休憩はございません。
開演前にぜひ展示をお楽しみくださいニコニコ
 金: 前売り4,000円/当日4,500円(別途ドリンク代)

『万YoNaGa博覧会』のテーマ
YoNaGaの国からこんばんは』、堂々完成!!
種(しゅ)を越えたほとばしる生命のコラボレーションを
お楽しみくださいビックリマーク
Nao
さんによる楽しい『だっらリミックス』とのカップリングで
2
曲入りCDとして、当日会場にて販売いたします。

2014
年にメンバーが使用した羽根が、
アクセサリーに生まれ変わって登場します。
『万YoNaGa博覧会』の記念に是非ラブラブ

<
展示品のご紹介>
2014年にメンバーが着用したユニフォームと羽根
・実際にメンバーがライブで使用している譜面
・久保田さんが作詞に使っているノート
 (YoNaGa以外の楽曲の詞もラブラブ!
Naoさんのイラスト原画
Gakuさんのゴム長ショート
・今まで発表したすべてのDVDCD
(アウトテイクやリレーストーリーも!!
 DVDCDは販売もいたします。
など・・・

展示品にまつわるメンバーのトークをどうぞお楽しみにニコニコ
もちろんライブもお楽しみいただきます!!

ご予約はYoNaGaホームページ
http://yonaga.jp.net/ticket.html )からお願いします。

また「万YoNaGa博覧会」の会場にて
5月24日の
「ナスペイン島へ ひょっこり & シンカンセンコナ会」の
チケットの販売を開始いたします。
こちらもどうぞお楽しみに音譜