コメントありがとうございます。
りんごさん、「E♭」や「抱き合って眠ろう」を大好きな歌に加えていただいて嬉しいです。ツアー頑張ってきます。
いまこさん、客席からの登場、また、やってみます。良いテンションで、健康を保ちたいですね。
たれさん、「いとし」、はその通り。「うるわし」「うつくし」もお楽しみに。
というわけで、久保田洋司、昨日、万葉集の講座で、さらに面白かった「崇神記・三輪山伝説」のことも書いてみたいんですが、長くなりそう。
超簡単に。
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あるところにとても美しい姫がいた。そこにある夜立派な男がやって来る。
男、姫のところに通い、互いに愛し合い結ばれるうちに姫、身ごもる。
姫の両親、姫に、どうして身ごもったのか、相手は誰かとたずねる。
姫答える「美しい若者、姓名知らず、夜ごとやってきて、ともに暮らすうち自然と身ごもった」と。
そこで両親、男の素性を知ろうと姫に教える。「赤土を床の前にまきちらし、へその紡麻(つむいだ麻糸)を針に通して、男の衣(着物)の裾に刺しなさい」。
教えの如くして、朝見れば針につけた糸は戸の鍵穴を通って出、残った糸は三巻だった。
糸をたどり行くと三輪山について、神の社のところで終わっていた。
身ごもった子は、神の子、と知った。
糸が三巻(三勾・みわ)残ったことから、そこを名付けて美和と謂う。
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万葉集、巻一の17は、三輪山を歌った歌。その反歌に18があり、続いて19に次の歌。
綜麻(へそ)かたの 林の前(さき)の さ野榛(のはり)の 衣(きぬ)に付くなす 目に付く我が背
訳)綜麻形(へそかた)の 林の端の榛の木が 服によくつくように よく目につくわが君ですね
そして、この歌の左注に、右の一首は、今考えると唱和の歌らしくないが、旧本にこの順に載せてあるので、やはりここに載せておく、と書かれています。
「へそ」「はり」「きぬ」を見れば、先の「三輪山伝説」をもとにして作られた、よくできた歌ということがわかるんですが、注をつけた人が、そこに気がつかなかったわけです。
万葉集の幾度かの編纂の段階で、「今」考えると違う気もするが、古い本にこう書いてあるから、そのままにしておこう、ということが、あるんですね。
初期の歌を詠んだ人たちや、編纂した人たちが普通に知っていたことも、のちになると、わからなくなる。
資料も、失われたり、増えたりして、すべてにあたりきれず、把握しきれないことも出てくるでしょう。
あるいは、単に、この編纂者が勉強不足だっただけで、ほかの教養ある人は知っていたことかもしれません。
どっちにしても、多くの研究者の努力が、僕など、趣味で講座に通ってるというだけの者にも届き、こんなにも楽しく、豊かな気持ちにさせてもらえること、本当にありがたいことです。
これからも、楽しみにかよいたいと思っています。
今日も素敵な一日になりますように。
美しい明日へ心をこめて歌っています。
洋司