コメントありがとうございます。

春美さん、同感です。皆さんのおかげで心和みますね。

アイコさん、原宿といえば、代々木公園に近いですからね。皆さんも、蚊に刺されないように、気を付けましょう。

というわけで、久保田洋司、昨日朝、楽しみにかよっている万葉集の講座に。

今年からあらたに始まった、「巻一を読む」。

昨日は、まず、これ。

香具山は 畝傍雄雄しと 耳梨と 相争ひき 神代より かくにあるらし 古も 然にあれこそ うつせみも 妻を 争ふらしき 【万葉集 巻一 13】

訳)香具山は 畝傍山を雄々しく思って 耳梨山と いさかった 神代の昔からして こうであるらしい 古も こうだったからこそ 今の世の人も 妻を 奪いあって争うらしい

「今の世」といっても、この歌が作られたのは、661年ごろ、のことですから、1300年以上前の「今」ですよ。

すごいですね。

ここでは、大和三山が、争ってるんです。

どうも、香具山が、畝傍山を巡って、耳梨山と争ってるらしい。

ここには、いくつかの説があるんです。

その1

女性である香具山が、男性である畝傍を見て、その雄々しさに惚れてしまった。

今付き合ってる男性の耳梨とそのことで、もめている、と。

その2

女性である香具山が、男性である畝傍を見て、その雄々しさに惚れてしまった。

同じく、畝傍に惚れた女性である、耳梨と、もめている、と。

その3

三山とも男性で、ここに登場しない女性のことで、争っている。

(これは、別案としての要素が大きい)。

その4

男性である香具山が、女性である畝傍を、いとおしいと思って、

男性である耳梨と、争ってる。

など。

妻争いの話は、ほかにも、よくあり、

たいていは、二人の男が一人の女を巡って、争うお話。

二人の女が、一人の男を巡て争うお話は、あまりない。

とはいえ、本当のところはどうなのか、今のところ、明確な解はないんです。

昨日、教わった考え方は、

歌の表現からは決着のしようがない。

言い換えれば、この歌は、表現の外にあるものに依拠しているところがある、と。

つまり、今の我々の知らない、

当時の共通の了解事項として、

香具山、畝傍山、耳梨山、といえば、すでに人々の知る物語があり、

そのことについて、歌の中で具体的に触れる必要がない、と。

そうですね、例えば、あれです、1990年代のヒット曲、

「ポケベルが鳴らなくて」と言われても、今の人には、その切なさは、わかりにくい。

あるいは、久保田洋司の古い歌のフレーズに、

「記憶の溝にも、針を落とせはしない」。

これも、レコードを知らないと、なんのことなのか、わからないでしょうね。

僕が昔、KinKi Kidsに書いた「to Heart」に、

「携帯でつないだ運命」というフレーズがありますが、これなど、

さかのぼって、1980年代以前の人になると、なんのことだか、わからない。

歌には、共通の了解が、快感や感動になることもありましょうね。

ま、深く考えずに。

いよいよ、YoNaGaの新作の納入期限が迫ってて、

ジャケットや歌詞カードなど、特にミスしやすいところを、皆で、入念にチェック中。

これ、いくら見たつもりでも、後でミスが見つかるんですよね。

ザバダックのお二人も、自虐的に、よく言ってます。

「お前の目は、節穴か! もう、我々のレーベル名は、節穴レーベルだ!」とかなんとか。

ミスはいけませんけど、そのことで、落ち込むことはないんです。

それを、成功につなげられたら、あれがあったらか、成功できた、と、

喜びも倍増するでしょう。

これは、そのまま、YoNaGaのコンセプトでもあります。

「p羽」「西用」「でもすんね」「下北沢」「朝食見映え悪い」「帰ったら効く」「抱きたて」などなど、

全部、ミスから生まれた歌で、皆さんから愛されています。

そんな曲たちも、もう「前作」となり、

新作が、いよいよ発表間近になっています。

アルバムタイトルや、その中からの最新曲などを、

9月19日、長江健次さんのラジオ番組に、YoNaGaがゲスト出演させていただいて、

そこで、初お披露目するつもりです。

まだ、誰も聞いたことのないタイトル!

誰も聞いたことのない新曲!

共通の了解事項は、ないかもしれない!

しかし、その日、ラジオを通じて、全国に発表させていただく幸せを、かみしめながら、

生放送にのぞみます。

エフエム世田谷、「金パラ~長江健次のDARADAラジオ」、19日、

ご聴取、スタジオご観覧、どうぞよろしく。

あれこれ、またまた、重箱の隅をつついたり、ほじくったりして、

代案を考えたり、資料にあたったりしながら、

その合間合間に、こちら書いていたら、

もう、すっかり、夕方。

皆様、素敵な夜を。

美しい明日へ心をこめて歌っています。

洋司