コメントありがとうございます。

りーさん、「Night Music Land」へのメッセージや感想嬉しいです。1920~30年代、ブラインド・ウイリー・マクテルなど、繊細な声で歌うブルースマンもいました。僕の新曲も、たどればその辺にさかのぼりますので、「ブルースみたい」はあたってます。続けて熱い応援よろしくお願いします。

というわけで、久保田洋司、昨日は朝から、万葉集の講座へ。

巻一は、研究が深く、先生も話したいこといっぱいみたいで、その情熱が伝わり、非常に楽しいんです。

情報量多い分、ぼーっとしてると、大事なところを、ふわっと聞き逃したりしそうで、こちらも、いっぱいいっぱい。

良いお話を、じっくり聞けるのは、大変幸せです。

【巻一 10】

君が代も 我が代も知るや 岩代の 岡の草根を いざ結びてな

訳)あなたのお命も わたしの命もつかさどる この岩代(いわしろ)の岡の草を さあ結ぼうよ

あなたの命も~などと、なんだか仰々しい感じがしますが、「代」は年齢というようなニュアンスも。

これは「岩代(いわしろ)」の「代」に引っ掛けてのことでしょう。

この歌の作者は、間人皇女(はしひとのひめみこ)と擬するのが無難とのこと。

間人皇女は、女帝、斉明天皇の娘で、中大兄皇子の妹。

この歌は、654年、斉明天皇一行が和歌山の紀温泉(きのゆ)に行幸したときのもの。

歌は、歌謡風で、はずんだ、はしゃいだ、華やいだ気分が感じられます。

当時の都は明日香。

そこから、山を通り、紀ノ川をくだって、断崖の上で海を見はるかした時の感動や、

その旅の心躍る感じもあるんでしょう。

「君」は、男子に対する尊称。

あなたの命も私の命も知る、岩代で、岡の草根を、さぁ結ぼう、など、

とってもロマンティックな感じもします。

間人皇女は、兄妹でありながら、中大兄皇子と恋をしていました。

当時としても、そういう恋はタブーです。

そのこともあって、中大兄皇子は、間人皇女が亡くなるまで、天皇につけなかった、との説も。

さらに、お話は、当時の政治的事件といろいろ絡んできて、ドラマティックな展開に。

とても書ききれず、もどかしい気がしますが、先生のお話をちょっと聞いただけの僕でも、そうなんですから、先生など、どんなにもどかしい気持ちで、我々にお話されてることでしょう。

この歌だけでも、あと10回くらいは、授業できるんではないでしょうか。

本当に、このあたりの研究は深いです。

次回は、香具山、畝火、耳梨、例の、額田王をめぐる、天智と天武の争いや、間人をめぐる天智、孝徳の争いをこめた歌物語か、とも言われる歌や、

わたつみの豊旗雲~などのお話が聞けそう。

非常に楽しみです。

さ、今日はYoNaGaのレコーディングと、そのあと作戦会議。

これも楽しみに行ってきます。

今日も素敵な一日になりますように。

美しい明日へ心をこめて歌っています。

洋司