今朝は、万葉集の講座に。

巻一の、二首目、舒明天皇の歌。

大和には群山有等 とりよろふ 天の香具山 登り立ち 国見をすれば 国原は 煙立ち立つ 海原は かまめ立ち立つ うまし国そ あきづ島 大和の国は

この歌について、今日は、たっぷり。

まず、国見うたというものについて。

万葉以外、古事記、日本書紀、物語の中に組み込まれる歌謡として。

呪詞、地名を列挙、ほめる。

土地の精霊を喚起、豊作を祈る。

その歌謡のレベルが、すごく飛躍した、良い歌。

作者、舒明天皇は、天智、天武の父。天武統治における「現代」の始まり。

実質的な万葉の幕開けを告げる歌。

群山有等は、「むらやまあれど」ではなくて、「むらやまありと」だろうというお話、、非常に興味深く。

元々、紀州本などで見る古訓では、「アリト」だったものを、西本願寺本で改訓されたと。

等を「ド」と読むのは、天平以降で、巻一、二には、ない。

「とりよろふ」の「よろふ」は、「よろひ」=鎧と関係のある語か。

天から降った特別な山、天の香具山が、他の山々で身を固めて。

天の香具山は、元々別格なので、他の山々があるけれど、その中でも、などという言い方はする必要がない。

だから、有等は、「アレド」ではなく「アリト」。

実際の眼前の景ではなく、「国ほめの観念を具象するもの」

国原、海原、全体で天皇支配の領域を示し、豊穣を約束し予祝する。

天皇が、聖なる山に立って見る景、現実世界を超えて歌われる。

王権の地、大和(奈良)、その称をもって、国全体をおおうことの確認をはたす。

今の我々の、想像力をはるかに超えた、万葉時代の人々の想像力の大きさ。

その万葉の想像力に、我々の想像を近づけるように。

今日の講座で配られたプリントに書いてあることや、先生のお話を走り書きしたものを、読み返し、

ほんの一部を、ざっと書き写すだけでも、めくりめきます。

初期万葉を読んでいますと、後の、庭で梅の花、みたいなのとは、だいぶ違う、

スケールがとっても大きく、強い生命力や、大自然、大宇宙なんかを、感じられます。

今後の勉強もさらに、楽しみです。

本日、これから、ローリング・ストーンズ。

久保田洋司、今日は、舒明天皇からストーンズ。

行ってきます。

すっかり夕方、素敵な夜を。

美しい明日へ心をこめて歌っています。

洋司