これは、2005年リリースの久保田洋司のアルバム「真珠区」。

先のチキンジョージでの弾語りや、KIWAでのバンドライブでも、このアルバムから、

「両手ですくってくれないか」

「愛すればある」

を、歌っています。

僕たちが子どもの頃に、テレビからよく流れていた音楽の、

僕たち子どもにも、ひっかかりのあった歌の作詞者を見れば、

多くは、阿久悠、なかにし礼。

「真珠区」を作った頃は、

あらためて、この人たちのボックスセットみたいなCDなどを集めて、

よく聞いていたころで、「真珠区」の歌詞や曲やアレンジなども、

昭和40年代ごろの歌謡曲へのオマージュでした。

グループ・サウンズは、リアルタイムでは、知らず、

「懐かしの~」的な番組で、はじめて見た時には、いろんな衝撃を受けました。

ジュリーやショーケンが、これ?

岸部シローや一徳?

マチャアキや、井上順が、かまやつと同じバンド?

鈴木ヒロミツ、ミッキー吉野もGS? みたいな。

中学生ぐらいの時に知って、あまりに、ヒリヒリで、痛すぎました。

曲を聞いても、森の中の湖だとか、乙女だ、白鳥だ、雛菊の首飾りだとか、

もう、中学生の男子には、どうにもならない世界でした。

ジュリーといえば、「勝手にしやがれ」から。

ショーケンは、再放送で見た「傷だらけの天使」。

岸辺シロー、マチャアキは、前から知ってたけど、「西遊記」で、あらためて。

「西遊記」のテーマのゴダイゴで、ミッキー吉野。

鈴木ヒロミツが、テレビで、ビートルズを語ってたのを見て、僕などビートルズ・ファンに。

それら、子どものころに、テレビで見て、混沌としてたものが、

自分の中で、徐々に繋がって、これ、全部、好きなんだな、と思ったときに、

「真珠区」ができました。

2005年は、僕がThe東南西北でデビューしてから20年、ということもあり、

アルバムは、「回り続ける世界で僕らは出会った」を、まず出して、

それに入らない曲をマキシ・シングルとして、3枚出して、

さらに「真珠区」を出すという、MMRにもだいぶがんばってもらった年でした。

当時は、「回り続ける~」のほうが、普段の久保田洋司で、

「真珠区」は、ちょっと特殊な、趣味よりのアルバムという感じがしましたが、

年月を経てみれば、

「回り続ける~」は、その時期の自分の気分が反映されたもの、

「真珠区」は、自分のことはおいて、もっと普遍にあるもの、のような気がしてきます。

アルバムタイトルを思いついたとき、スタッフに、

「真珠区」と告げれば、「え?」みたいな、リアクションでしたが、

今は、もう、すっかり自然。

こうして、突然、2013年のブログに登場したりするんですから、

面白いことだなと思います。

収録曲の「王様の耳」っていう歌にはロバも出てくるし。

ロバは、僕の好きな動物として、最近よく、MCで語られます。

ギターで、ロバの鳴き声をやったりもしてます。

ふと、思い出したんですが、僕たちが子どもの頃見てたテレビ番組に、

「おはようこどもショー」というのがあって、その中の人気キャラに「ロバくん」というのがいました。

たぶん、このへんから、ロバには、特別の思い入れがある世代なんだろうな、と。

さかなクンは、大池茂文くんと誕生日が同じですが、久保田洋司は、「ロバくん」で、いいですよ。

長くなりました。

今日は、雪もふるかも、と。

あったかくして過ごしましょう。

素敵な一日になりますように。

美しい明日へ心をこめて歌っています。

洋司