昨日の万葉集の講座で、先生がお話しになった、大伴旅人のお話が、とっても良かったので、

昨日、配られたプリントや、そこに僕がぎっしり書き込んだ先生のお話などを、何度も見直しながら、

今朝も、じわっとしているところです。

育ちがよくて、教養深く、

政治的にも重要な人物が、どう歌とかかわっているか。

ハイレベルな歌のやりとり、境遇、当時、高齢で大宰府に赴任させられる気持ち。

巻十一の勉強も、いいですが、時々、こういうお話が聞けると、

万葉集のこと、もっともっと、面白いなぁ、と思います。

旅人が生まれたのは、665年。

平城遷都が、710年ですから、旅人45歳のとき。

若い頃はどこにいたかというと、明日香なんですね。

天武、持統朝の頃、天皇の行幸にしたがって、吉野を訪れたのでしょう。

724年、聖武天皇の吉野への行幸のときに、

昔見し象の小川を今見れば いよいよさやけくなりにけるかも、と歌っています。

63歳で、大宰府に赴任して、周りの人から、都を恋しく思いませんか、というような歌を投げ掛けられると、

自分は奈良の都を、もう見ずに終わるのでは、と返しますが、

次に続く4つの歌は、吉野、明日香の風景。

このあたりは、巻三にでてきます。

その後すぐ、730年に、都に戻るんですが、731年に亡くなります。

都には、戻れたものの、明日香、吉野の風景は、見られなかったのでしょう。

旅人の、お酒を歌った多くの歌も有名です。

あな醜賢しらをすと酒飲まぬ人をよく見ば猿にかも似む (巻三 344)

訳)ああ醜い。賢そうにして酒を飲まない人を、よくよく見たら 猿に似ているようだ。

僕も、お酒の席で、「いや、僕は、もう」などと言って、飲まないことも多いもので、

ちょっと猿似だなぁ、と思うことです。

今日も、寒いですね。

温かくして過ごしましょう。

素敵な一日になりますように。

美しい明日へ心をこめて歌っています。

洋司