昨日は、いつも楽しみにしている万葉集の講座に、
行ってきました。
巻十の秋の歌、黄葉(もみち)を詠む、を勉強中で、
昨日は、2187~2201番の歌を教わりました。
この講座は、万葉集、全4516首を、
一から順に、全部、読んでいこうという講座で、
はじまったのが、11年ほど前だそうです。
僕が、通いだしたのは、2008年6月で、
巻七の終わりぐらいの、1392番目の歌からでした。
全部、読み終えるには、あと10年近くかかるそうです。
一首一首、先生の丁寧な解説が、
とってもわかりやすいし面白いんです。
一つの歌を、他の歌と比べて、
例えばそれは、万葉集中だったり、
古今集などそれ以降のものだったり、
中国の詩だったり、近代、現代の歌人の歌だったりして、
技術や、スタイルの変化などをみたり、
歌に出てくる場所の地図とあわせて、歌をより現実的にみたり、
あるいは、当時の人たちの人間関係や、暮らしぶり、着ていた物、
食べたもの、動物や植物、天の川や、竜宮のことなどなど、
本当に、楽しいお話がいっぱいなんですよ。
講座は人気で、今は満席。
僕は、受講できててラッキーです。
昨日は、
歌の、個人の叙情というよりも、社交的な道具という部分も、
大事な要素、というところを、とっても面白く聞きました。
2187
妹(いも)が袖 巻来の山の 朝露に にほふ黄葉(もみち)の散らまく惜しも
妹が袖、というのは、巻来の枕詞なんですが、
これがこの歌に、女性のイメージを喚起するわけです。
すると、次に続く歌は、
2188
もみち葉の にほひは繁し 然れども 妻梨の木を 手折りかざさむ
となりまして、この掛け合い、どういうことかといいますと、
最初の歌いに、「私の愛しいあのコの袖を枕に」というような、
ちょっと恋人あるいは妻を自慢でもするようなニュアンスがあって、
それに応えて次の歌には、
「自慢の妻みたいなかわいい女性は、オレにはいないけれども、
それでもいいんだ」というような、感じが、あるんですね。
紅葉をテーマにしながら、
実際は、自慢の妻が、いるにしろいないにしろ、
そういうことを、歌で楽しくやりとりしてるのが、面白いですね。
上手い歌を返せると、場が盛り上がったことでしょう。
アラビアン・ナイトの、
シェヘラザードが、千夜、毎晩面白い話をして、
怖い王に殺されずにすんだ、という、
あれを、ちょっと思い出します。
そこで、下手な歌だったり、退屈なお話だったりしたら、
と、僕など、自分のことを思えば、非常に緊張感でいっぱいです。
ある種の即興性も必要かもしれませんし、
これはもう、日ごろの鍛錬と、その場の度胸と、
それ以上に、その瞬間の全てを、思いっきり楽しむ、
というところでしょうか。
そこで僕は今日も、練習にはげむのでした。
今日も素敵な一日になりますように。
美しい明日へ心をこめて歌っています。
洋司
行ってきました。
巻十の秋の歌、黄葉(もみち)を詠む、を勉強中で、
昨日は、2187~2201番の歌を教わりました。
この講座は、万葉集、全4516首を、
一から順に、全部、読んでいこうという講座で、
はじまったのが、11年ほど前だそうです。
僕が、通いだしたのは、2008年6月で、
巻七の終わりぐらいの、1392番目の歌からでした。
全部、読み終えるには、あと10年近くかかるそうです。
一首一首、先生の丁寧な解説が、
とってもわかりやすいし面白いんです。
一つの歌を、他の歌と比べて、
例えばそれは、万葉集中だったり、
古今集などそれ以降のものだったり、
中国の詩だったり、近代、現代の歌人の歌だったりして、
技術や、スタイルの変化などをみたり、
歌に出てくる場所の地図とあわせて、歌をより現実的にみたり、
あるいは、当時の人たちの人間関係や、暮らしぶり、着ていた物、
食べたもの、動物や植物、天の川や、竜宮のことなどなど、
本当に、楽しいお話がいっぱいなんですよ。
講座は人気で、今は満席。
僕は、受講できててラッキーです。
昨日は、
歌の、個人の叙情というよりも、社交的な道具という部分も、
大事な要素、というところを、とっても面白く聞きました。
2187
妹(いも)が袖 巻来の山の 朝露に にほふ黄葉(もみち)の散らまく惜しも
妹が袖、というのは、巻来の枕詞なんですが、
これがこの歌に、女性のイメージを喚起するわけです。
すると、次に続く歌は、
2188
もみち葉の にほひは繁し 然れども 妻梨の木を 手折りかざさむ
となりまして、この掛け合い、どういうことかといいますと、
最初の歌いに、「私の愛しいあのコの袖を枕に」というような、
ちょっと恋人あるいは妻を自慢でもするようなニュアンスがあって、
それに応えて次の歌には、
「自慢の妻みたいなかわいい女性は、オレにはいないけれども、
それでもいいんだ」というような、感じが、あるんですね。
紅葉をテーマにしながら、
実際は、自慢の妻が、いるにしろいないにしろ、
そういうことを、歌で楽しくやりとりしてるのが、面白いですね。
上手い歌を返せると、場が盛り上がったことでしょう。
アラビアン・ナイトの、
シェヘラザードが、千夜、毎晩面白い話をして、
怖い王に殺されずにすんだ、という、
あれを、ちょっと思い出します。
そこで、下手な歌だったり、退屈なお話だったりしたら、
と、僕など、自分のことを思えば、非常に緊張感でいっぱいです。
ある種の即興性も必要かもしれませんし、
これはもう、日ごろの鍛錬と、その場の度胸と、
それ以上に、その瞬間の全てを、思いっきり楽しむ、
というところでしょうか。
そこで僕は今日も、練習にはげむのでした。
今日も素敵な一日になりますように。
美しい明日へ心をこめて歌っています。
洋司