今朝は、今年最初の万葉集講座に行って来ました。

昨年からの、巻十、秋の歌の続きで、
露、もみじ、などの歌です。

もみじは、今は主に、紅葉と書きますが、
万葉集では、ほとんどが、黄葉なんです。

集中、黄葉は、88例。
赤葉、紅葉が、それぞれ、1例ずつ、と。

黄葉は、中国文学の影響。

黄、紅、赤は、別の色ですが、
もみじ、というときに、どれも、もみじなのは、
面白いと思います。

「にほふ」は、「匂う」ですが、
これは、美しい色で映える、が基本的な意味。
色彩表現が中心で、のちに香りに転ずる、と、
辞書にあります。

辞書の「参考」を見ると、
「にほふ」と「かをる」の違いが書いてありまして、
ともに色、香りのよいことに使われる語であるが、
「ひほふ」が艶のある感じであるのに対し、
「かをる」のほうは、ほのかにただよう感じである。と。

にほふ、は赤く色づく感じもあって、
例えば、女の人の頬が、ほんのり赤いのが美しく、
にほふような、となるんですね。

もみじは、
「にほひそめ」たり、「にほは」されたり、と詠われたりします。
黄葉という表現が多くても、
紅葉という実感も、当然、あったでしょうね。

黄葉が日本では、いつごろから、紅葉になっていったのかも、
興味ありますね。

万葉集では、雪や、花や、もみじが、空中を舞うことを、
「流れる」と表現したりするんですね。

ひらひら、舞ってるだけじゃなくて、
いっせいに、天の川のように、空に流れる鮮やかな場面が、
思い浮かぶようです。

和名抄という、平安初期から中期頃に成立した辞書のお話も、
ありました。

万葉のころからすると、だいぶ時代は下ってますから、
万葉集に出てくる言葉でも、その後、意味や言い方が、
変化していることも、あったりするでしょうし、決定的というものでも、ないそうですが、和名抄に書き残されてたおかげで、
わかることが、やはり沢山あるわけで、面白そう、と思いました。

今日はもう、午後ですが、
このあとも、素敵な一日になりますように。
美しい明日へ心をこめて歌っています。

洋司