昨日はいつも楽しみな、万葉集の講座に行って来ました。

巻十、秋の歌の、「鹿の鳴(ね)を詠む」に入りました。

雁が来て、秋萩が散って、鹿が鳴く、という、
今ごろの季節に、奈良に行けば、
万葉の歌の景が、実感として、楽しめるんですね。

じっくり奈良に、行きたいところです。

雄鹿の鳴く声は、甲高くてちょっと寂しげな感じでしょうか、
万葉集の歌にも、鹿の声を聞いて、
寂しさとか、会えない人への恋しさが増した、というような歌が多い気がします。

当時、鹿の声というと、こういう歌、みたいな、
一つのスタイルがあったのかもしれませんね。

そういうのとは、ちょっと違うふうにも、とれる歌を、
ここに。

山近く 家や居(お)るべき さ雄鹿の
声を聞きつつ 寝(い)ねかてぬかも

訳)
山近く 住むものではない 雄鹿の
声が聞こえて 眠れもしない

この歌は、鹿の声が、うるさいのではなくて、
風流なものとして、逆説的に、詠ってる、と。

佐保や佐紀の山中に貴族の別邸があったそうです。

ごみごみした都会で暮らしへ、
ちょっと皮肉っぽく詠った感じもあるみたいです。

面白いですね。

今日は、雨でちょっと寒いです。
風邪など気をつけて。

今日も素敵な一日になりますように。
美しい明日へ心をこめて歌っています。

洋司