昨日は、楽しみにしている万葉集の講座に行ってきました。

巻十、秋の花の歌に入っていまして、
秋の花といえば、万葉集ではなんといっても、
萩です。

僕など、萩の花なんて、はっきりわからないんですが、
受講されてる方が、一束持ってこられてて、
見れば、小さくな、紅紫色の、かわいらしい花です。

萩は白い花もありますが、万葉のころは、
萩といえば、この赤い花だそう。

かわいらしいから、よく見たいのに、
見ても見ても、よくわからない、
空の星みたいな感じのする、花ですね。

万葉集中、142首と、
もっとも多く詠まれてる植物なんだそうです。

二番目に多いのが梅で、122首。

万葉人は、萩に対する思いを、「恋」だと、歌うんですね。

もう、自分の恋人みたいに、詠んだりするんです。

秋萩に恋うて、あれこれ物思いをすまいと思うのだが、
やはり散るのは惜しい、なんて、なんだかもう、
胸がきゅんきゅんしてる人みたいです。

わが家に植えて育てた秋萩を、誰がしるしをつけたんだ、
私の知らないあいだに、みたいな、
萩を女性に例えたなら、
こういう比喩は、古いブルースの詞にも、よくありそうで、
面白いことでした。

萩の開花をうながしたり、花を散らしたりする、
白露、というのが、また美しいイメージです。

鹿が、萩を自分の妻だと思っているというような歌が、
よくあるんです。

葉においた白露が、首飾りで、
それを、萩にプレゼントするという、鹿の話。

おとぎ話みたいな、感じですけど、
子供の頃には、そんなお話を聞いたことがありませんから、
大人になって、それも、だいぶ、大人になって、
はじめてふれる、こういうおとぎ話みたいなお話って、
体中の神経細胞を伝わって、いろんな記憶に、
繋がったりするのか、なにか、もう、
じわーというか、びりびり、感じるぐらいです。

今日は、モーメント・ストリングカルテットのコンサートが、
水道橋駅近くの、東京倶楽部で、あります。

秋の夜、カルテットで過ごすのもいいですよね。
僕も、行くつもり。
興味のある方は、是非。

今日も素敵な一日になりますように。
美しい明日へ心をこめて歌っています。

洋司