昨日も、古い録音から、データを取り出して、
新たに、ピアノやギターを、入れてみる、
という作業を、していました。

「Tomorrows」なんて、録音時の、
トラックシートのノートを見てみますと、
丁度10年前の、
2001年4月18日~5月3日に、
作業してるんですね。

曲を作ったのは、実はもっと前。

1990年代前半です。
古い、カセットテープの4チャンネルレコーダーや、
当時住んでた部屋の風景など、思い出します。

ある、女性シンガー用に作曲したものが、
採用にならず、返ってきてて、
ずっと、ストックになっていたんです。

2001年になって、
そういうストック曲たちを集めて、
形にしようとして、作ったアルバムが、
『Tomorrows』と、それに続く『蕾~つぼみ~』でした。

さらに、2004年のシングルで、録音した、
「ハッピーエンドはいらない」
「雨の窓辺」などの6曲も、90年代のストック曲。

そのあたりで、ストックを30曲ちかく、
発表できたのは、ありがたく、嬉しいことでした。

当時としても、古い曲を、
新たに録り直す、という、
古いような、新しいような感覚があったのを、
今、思い出しました。

キーを変えたり、歌詞を書いたり、書きかえたり。
それを、当時、好きだったものの影響を、
受けたりしながら、録音したわけでした。

今の、デジタルの技術と比べると、
ほとんど、なにもできないぐらいの、
技術だったわけですが、
それでも、当時、最先端のマシーンで、
地味な作業を、こつこつ、粘り強くやってる感じが、
古い録音を聞いていると、伝わってきて、
楽しくなります。

僕って、けっこう、粘り強く、
ぐいぐいいくタイプだったんだ、と、
なんだかわかりませんが、
若者の、汗とか、体臭みたいなものを、感じます。

例えば、古賀森男さんなら、1回で終えられるような、
ギターの録音を、
僕は、本当に、100回ぐらいやらないと、弾けないもんで。

最近は、少しはましになったかな、と思いながら、
録音回数が、画面に表示されたりするのを見れば、
100回ってことは、たまに、
いや、しばしば、ありますから、
昔は、300回ぐらい、やってたかもしれませんよ。

その時の、油汗とか、あせりの臭いなのかな。

今日も、ちょっと、そんな旧作とたわむれるつもりです。

今日も素敵な一日になりますように
美しい明日へ心をこめて歌っています。

洋司