先日、ちらっと外を歩いたとき、桜の花が咲いているのを、
見ました。

万葉集に、春の花として詠まれるのは、
梅が有名ですけど、
梅は、当時の中国からの舶来なので、
貴族や官人が、それを庭に植えて楽しむ、
贅沢な花だったんですね。

で、花といえば、昔から、
日本人は、やっぱり、桜を好きだったようです。

万葉集の歌の中でも、梅とか書かれてなくて、
花と、詠まれている場合は、
だいたい、桜のことと思ってもいい、と、
中西進先生も、おっしゃってました。

ウィキペディアには、こんな記事もありますが。

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日本最古の史書である『古事記』『日本書紀』にも桜に関する記述があり、日本最古の歌集である『万葉集』にも桜を詠んだ歌がある。
奈良時代は和歌などで単に「花」といえば梅をさしていた。万葉集においては梅の歌118首に対し桜の歌は44首に過ぎなかった。

しかしその後、遣唐使の廃止、唐の滅亡などで唐風文化が廃れ、平安時代に国風文化が育つに連れて徐々に桜の人気が高まっていった。

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当時の桜は、今のソメイヨシノではなくて、
山桜ですから、花の前に、葉がある、と。

なので、桜の眺めは、今とは、違ってたようですが、
それでも、山の桜が一斉に咲くのを、
皆、喜んで、見たんですね。

貴族、官人だけじゃなくって、みんな、ですね。

風が吹いても、雨が降っても、
花は、散る時期がこないかぎり、そう散るものではない、と、
まえに、万葉集の講座で、教わったことを、書いた気がします。

で、散る時は、
今、一番愛されてるから、と散る、このあいだも書いた、
この歌。

桜花 時は過ぎねと
見る人の 恋の盛りと
今し散るらむ

こんな、花があって、こんな歌がある、
っていうことが、とっても愛しいな、と思います。

今日も素敵な一日を。
美しい明日へ心をこめて、歌っています。

洋司