朝から、ものすごい雨であったが、
その朝のうちに、ぴたりと止んだのであった。

その境目は、どうなってたのか、
見られそうな感じであった。

ずいぶん前に、書いたことがあるけれど、
小学生の野球部のころ、
ま、僕は、玉ひろいで、一塁側、ホームの近くにいたのであるが、
レフトの選手が、急にこっちに走り出した。

見ると、そこには、大雨。

こちらには、まだ降っていない。

選手が、走ってこっちに来るのを、追いかけるように、
大雨がやってきて、見る間に、グラウンド中、土砂降りの中。

雨は外野の選手のように、やってくるのを知ったのであった。

真夜中のように、暗い朝である。

万葉のころは、傘もないし、
服だって、濡れたら、そんなに替えがあるわけでもない。
雨の日に出かけるなど、皆、だいぶ嫌いであったようである。

昨日のような、夜、まだ降ってない頃に、
女の人のところに出かけて、朝、帰ろうと思ったら、
大雨だった、など、
当時も、あっただろうし、
そうなると、帰るのも、大変であったろう。

帰んないことには、女の人の、家の人ら、
皆、起きてくるし、
当時は、顔など、できるだけ、他に見られないように、
行き来していたそうであるから。

ま、詳しいことは、よくわからないけれど。

洋司