朝、窓を開けると、
風が涼しいのであった。

5時ごろのことである。

小学生の頃の夏休みの早朝を、
思い出すことである。

ラジオ体操。

歩いてすぐの小学校で、
ラジオ体操をしていたが、
早い時間に行くと、
電灯の下に、
カブト虫が転がっていることが、
あったものである。

8月の終わりごろだったのかもしれない。
涼しい朝であった。

まだ暗い時間から、林に入って、
昆虫をつかまえてくる生徒も、
何人かいたけれど、
僕は、ついに、そういうことをしなかった。

学校の電灯の下、がせいぜいであった。

夏の涼しい朝のにおい、
もう、夏が終わるような、気がしてしまうのであった。

洋司