自分ひとりでは、できないことがたくさんあるのである。

先の上海、夕食後、数名で、ホテルの周りを散歩中、
ある方が、マッサージの看板を見つけ、「入ろう」と。

一人では思いも寄らぬ展開である。
僕は、マッサージ初体験であった。

僕と、若者Tくんが、同じ部屋で、
ベッドにうつぶせになって、マッサージを受けた。

僕は、まったく肩こりがないのである。
どこを触られても、
もう、くすぐったくてく、くすぐったくて、
必死で、息を止めてまで、
笑うのをこらえていたのであった。

Tくんも、同じだったようで、
その、こらえている気配が、横から伝わってくる。
Tくんは、思わず「ひっ」と声。

つられて、笑いそうになってしまった。

くすぐったいです、と伝えたいところであるが、
言葉が、まったく通じないし、
こんなにくすぐられることなど、普段、まずないのであるから、
そこは、貴重な機会である。
ありがたく、くすぐられたのであった。

ご一緒した方の中には、
時々マッサージを受けるという方もいらして、
日本で受けるより、数倍上手い、
とおっしゃった。

しかし、笑いをこらえているとき、というのは、
楽しい時に、違いない。

洋司