風が強い日が続くのである。

先日、通りかかりに見た大きな木の高い枝に、
ハンガーにかかったTシャツが干してあった。

他の枝にも、なにか衣服らしいものが、
いくつも干してあった。

とっても高いところで、
しかも、そのあたりの枝は細く、込み合っていて、
そこに洗濯物を干すのは、だいぶ難しそうである。

というか、本当は、
どこか近くのお宅の洗濯物が、
風に飛ばされ、枝の高いところに、
ちょうど干してあるかのように、
引っかかっている、のであった。

シュールレアリスム。
一種の、超現実であるか。

例えば、そこに、お魚などが引っかかっていても、
奇をてらったようで、あんまり、面白くないような気がする。

また、朝天気が良くて、
ベランダにお布団を干しているときに限って、
激しい夕立が来て、
全部びしょ濡れにしてしまうお宅がある。

いや、たまたま、僕がその場面を見かけるだけで、
実際は、普通に晴れている日も、
お布団を干されているのであろうが、
そういう当たり前のときは、こちら、うっかり見過ごすのである。

どんどん過ぎていくことの、ほとんどは、
忘れてしまう。
印象に残ることを、何回か思い出してしまうために、
記憶に残るのなら、
楽しいことを、思い出しておいたほうが、
良さそうである。

このくらいの長さでも、
ちょっと読むには、長いような気がするこのごろである。

洋司