昨日は、ボブ・ディランのライブを見に行ったのであった。

大ファンなのである。

すごく冷たい雨が本格的に降っていて、
整理番号順の入場待ちで、外に並んでいるのは、
とっても寒かった。

やっと入れた会場は、ぎゅうぎゅう詰め。
おしくらまんじゅう、おされて泣きそうであった。
しかし、気が付けば、前のほうにいて、
ボブが出てくると、僕とボブとの距離は、
10メートルもないのであった。

あの曲も、あの曲も、
ぉおお、この曲もっっ、と次々嬉しいのであった。

ボブがギターを弾いたのは一曲。
僕のと同じ感じのブラウンサンバースト、指盤はローズウッドの、
ストラトキャスターであった。
なにかの映像でも見たことがあるが、
ピックガードやブリッジのなどのパーツは、だいぶ豪華で、
ぴかぴかである。

ほとんどは、オルガンを弾きながら、
曲によっては、マラカスだかなんだか、小さな振りものを握って、
歌っていた。

ハーモニカも吹いた。

MCは、なし。
一番最後に、元気な声でメンバー紹介しただけである。
でも、たくさん、お話を聞いたような気がした。
歌っているあいだ、ずっと語りかけてくれているのであるから。

あの数々のすごい歌を作ったご本人が、
それを、今、そこで歌っていらっしゃる、という事実。

あの、レコードや映像で、何度も見聞きし、
しびれさせてもらっていた、それが、目の前で展開されている現実。

もう、どこまでも転がり続ける石ころのように、幸せであった。

洋司