昨晩は、夜中に、
ずいぶんお酒でご機嫌な方から、
電話。

こちらは、机で、
石のようになっているところで、
いきなり、ハイテンションの世界との会話は、
困難であった。

しかし、夜中に、
お酒に酔ってご機嫌になられてる方から、
電話がかかっているというのは、
ありがたいことである。

そんな時に、思い出していただけるのである。

電話は、大変ににぎやかな場所からのようで、
僕が、小声で話しても、あまり聞こえないようであった。

その方と一緒にいたのは、
あるミュージシャンの方。

久しぶりに話したのであるが、
この方も、大変にご機嫌で、
その場で、ギターを弾きながら、
30年ほど前の、
ご本人のデビュー曲を、歌ってくださる。

ヒットソングであるから、
その世代の日本の人なら、
多くの人が、必ず聞いたことのあるはずの、
名曲である。

切なく、儚げな歌であるが、
それが、陽気に、元気一杯に、
展開される。

電話越しに、
この、石窟の中のようなシーンとした部屋に、
楽しい空気が、どんどん注入される。

大変に、うれしく、ありがたい時間であった。

しかし、微かに寂しいのは、
たぶん、お二人とも、
酔いがさめたころには、
お電話くださったことを、
お忘れだろう、と、
これは、ほぼ間違いなく、
そう思えることである。

いや、それでも、
僕は、感謝している。

洋司