ギターをはじめたきっかけは、
中学一年の時、遊びに行った友達の部屋にギターがあり、
その友達が、弾いて見せてくれて、
心動いたこと、なのである。

しかし、小学生のころに、
やはり友達のところに遊びに行き、
その友達が、バイオリンを、
ものすごく上手に弾いてくれて、
びっくりしたことがあったけれど、
僕は、バイオリンをはじめようとは、
とても、思えなかったのである。

ギターの場合は、
その頃、好きで聞いていたレコードの、
ミュージシャンたちが、
ギターを弾きながら、歌う人たちだったので、
そういう姿への憧れが、あったのであろう。

そして、弾いて見せてくれた友達は、
ドレミファソラシド、と、「禁じられた遊び」の、
単音のメロディーの冒頭の4小節ぐらいを、
そっと、間違えないように、弾いてくれただけであったが、
とっても、上手なように聞こえたし、
同時に、
これなら、僕にも、
みたいに感じさせてもくれたのである。

僕は、歌を歌いたかったのであるが、
レコードに合わせて歌うのも、
少し、ものたりなく感じていた頃であった。

ギターをジャンジャン弾けば、
その音量にまぎれて、
大声で歌を歌える、と思ったのであった。

男子バレー部で、大声は出していたけれど、
自分で弾くギターに合わせて、大声で歌うのは、
格別なのであった。

洋司