民家の壁にとまって鳴く蝉を、
見たのである。
あれはしかし、
木と間違えて、そうとも気づかず、鳴くのか、
それとも、
鳴く場所は、木であろうが、民家の壁であろうが、
ご本人には、関係ないものなのか。
それを見て、
蝉め、間違って壁に、とまって、鳴いておるわ、
あわれじゃのう、
などと、言う、人間の方が、本当は、あわれなのか。
なぜか、
蝉を見ると、
答えのわからぬ疑問を思い、
そして、その答えなど、
どうでもよい、と、
負け惜しみのようなことを、
思うのであった。
ファーブルは、15年、
蝉を観察し続けても、
雌が雄のところに飛んでくる場面を、
見られなかったそうである。
雄が鳴き続けても、
雌は、来ないのであろう。
鳴くことと、雌を呼ぶことは、
関係ないのかもしれない。
森中で鳴いている、あの蝉の、
どの声が魅力的かを聞き分ける雌など、
ナンセンスとも思われる。
そこは、ルックスだろう、とか、
鳴く場所だろう、など思った方が、
楽しいのであった。
洋司
見たのである。
あれはしかし、
木と間違えて、そうとも気づかず、鳴くのか、
それとも、
鳴く場所は、木であろうが、民家の壁であろうが、
ご本人には、関係ないものなのか。
それを見て、
蝉め、間違って壁に、とまって、鳴いておるわ、
あわれじゃのう、
などと、言う、人間の方が、本当は、あわれなのか。
なぜか、
蝉を見ると、
答えのわからぬ疑問を思い、
そして、その答えなど、
どうでもよい、と、
負け惜しみのようなことを、
思うのであった。
ファーブルは、15年、
蝉を観察し続けても、
雌が雄のところに飛んでくる場面を、
見られなかったそうである。
雄が鳴き続けても、
雌は、来ないのであろう。
鳴くことと、雌を呼ぶことは、
関係ないのかもしれない。
森中で鳴いている、あの蝉の、
どの声が魅力的かを聞き分ける雌など、
ナンセンスとも思われる。
そこは、ルックスだろう、とか、
鳴く場所だろう、など思った方が、
楽しいのであった。
洋司