やもり、がいたのである。
辞書には、家守の意、と。
ドアのところにいた。
どこから、きたのか、
こういうものも、棲んでいるのである。

いもり、は、井守。
池、沼、井戸などにいて、こっちは腹が赤い。
辞書には、黒焼きは古来ほれぐすりと言われる、と。

やもり、あわてたように、逃げるが、
そっとつかまえて、外に放した。

指先に乗るほど、小さくて、
目がまん丸で、
手が、ぱーであった。

洋司