草の茂る真っ直ぐな道。
川沿いの道のようでもある。

昨夜も、走れば、ふと虫の声。
昨日まで、こんなに鳴いていたかな、
と思うほどに、
鳴いているのであった。

鳴いていたのであろうが、
別の世界に、どっぷりで、
耳に入っていなかったのかもしれない。

秋に鳴いてるのとは、違う虫たちかもしれないが、
夜風に、聞けば、涼しい。

秋までには、まだ、少しあるけれど、
だんだん、秋に向かう夜道を走るのが、
好きである。

走ることについては、
数年前までは、
鍛えている感があったような気がするが、
ここ最近は、これは消耗だなぁ、と思う。

新聞に、ゴリラやオランウータンの写真が出ていた。

いろんな猿の体型を思い、
人の体型を思う。

太ったりすると、今は、すぐメタボリックということになるが、
僕など、なにもしないでいると、自然に、すぐに太るのである。

数年前、数ヶ月、ジョギングをしないでいると、
今より、7~8キロ、増えたことがある。
もう、このまま、大きくなるのだろう、
人の体型とは、そういうものなんじゃないか、
いいじゃないか、と思ったのである。

時々、ライブの時の写真を見て、あれれ、と、
つまり、ちょっとぽっちゃりしているのに違和感を覚えることがある。
そういう時、元に戻そうと、思い立つのである。

元といっても、元々は、ぽっちゃりしているのであるから、
何が、元かはわからない。
なにしろ、子供の頃は、運動会などで、
足首を見れば、他と見分けが付くから、
探しやすい、と、家族から好評を得ていたのであった。

生まれたとき、ちょっと小さかったもので、
たくさん食べて、大きくなるように、との願いを、
僕は、軽々とクリアし、重々な子供になったのであった。
ようするに、元気一杯の子供であった。

下手なのに、野球部に入っていた。
外野で、ボールが飛んでくると、だいたい逃したし、
バッターボックスでは、空振りである。
代打でたまに、バットにボールが当たれば、ホースアウト。
なのに、一塁で生きた代打は、得意顔なのであった。

はじめて練習に行った時、
監督から、レフトに入ってくれ、といわれ、
レフトがどこだか、わからないまま、適当に、
遠くのほうに、走っていき、良さそうなところで、
振り向いて、立っていたら、
「おーい、レフト、もうちょっと、前に」
といわれ、レフトは得意げに前進したのであった。

洋司