電話で、

「お聞きしたいんですが。
インターネットの、
○○店のホームページに載っていた、
○○○、という楽器、
鈴がついてるやつ、
そちらのお店でも、取り扱ってますか?
それとも、取り寄せなら、そうしていただきたいんですが。」

みたいなことを、ひたすらしゃべっていると、

「あのぉ、どちらにおかけでしょう?
番号を、お間違えじゃないですか?」と。

間違い電話をしてしまったのであった。

「ごめんなさい。間違えました。」

「いいえ、どういたしまして、失礼いたします。」

最後まで、やさしく、丁寧な方であった。

それにしても、僕という者は、
人の話を聞かずに、
一方的に、話す者のようである。

うちにも、時々、間違い電話がかかってくる。

いつも、同じ会社宛の電話で、
慣れた感じの話し方で、かかってくる。

あまりに、かかってくるので、
その会社の電話番号を、調べてみたことがある。

すると、とてもよく似た番号であった。

かけ慣れている感じの人でも、間違えるわけである。

僕も、なるべく丁寧に、そして、
それが、いやみに聞こえないように、気をつけて、
対応しているつもりであるが、
今、突然、いやみ、と思いつくあたり、
怪しいところである。

男らしさなんて、よくわからないよ、と、
松本隆さんに、昔書いていただいた詞に、あった。

そのころは、わからなくても、いいと思ったものである。
反抗期であろうか。

一時期は、男らしさに、憧れもあり、
優しい時代は無駄だったか、などと戯れに書いてみたこともあったが、
今は、男らしさも、優しさも、好きである。

気分屋。

洋司