「尾道万博」のホームページ(http://onomichi-expo.jp/)を見れば、
出演に、現役尾道東高校バンドが、加わっているのである。

The東南西北も、尾道東高校の、高校生バンドであったから、
やはり、尾道北高校のバンドが、というのと比べてみると、
個人的に、胸くすぐられる思いがするのである。

尾道駅北口すぐの、ジャズ喫茶ANDYに、
僕らは、よく通ったのであるが、
ANDYのマスターは、僕らがバンドをやっていることについて、
例えば、マスターを通じて、
どこかでコンサートをやったりする場合、
マスターは、僕らの高校の校長に電話をし、
やらせてもいいか、と確認をしていたそうである。

で、東校の校長は、
勉強になるでしょうから、是非やらせてやってください、
と、答えていたと。

一方、北校は、バンドは禁止だったのであるが、
やっている生徒はいて、
学校がなんと言おうと、コンサートに出たい、と。
マスターは、その生徒たちの件で、
今度は、北校にも、電話したそうである。

担当の先生が出て、うちでは、バンドは禁止だ、と。

それで、マスターは、あんたは、どう思う、と。

先生は、少し間を空けて、自分は本当はやらせてやりたい、と。

それで、マスターは、わかった。と。

マスターは、生徒らに、そのことを話し、
お前ら、今は、やめとけ。

生徒ら、わかって、コンサートには出ないことにしたそうである。

僕らの頃は、東校のバンドより、
やってはいけないことになっている北校のバンドのほうが、
上手かったものである。

自分らの正当な情熱について、それを、体制が禁止することで、
その情熱は、さらに燃えたのかもしれない。

いや、単に、僕らが下手だったのであろう。

洋司