個人練習を、立ってやっているので、
ギターを肩からかけるためのストラップを、
ギターに、装着したままである。

録音をするときは、だいたい座ってするので、
ストラップの必要は、ないのであるが、
今、ストラップを装着したままなので、
気がつくと、それを肩からかけて、
座って、録音しているのであった。

ギターを抱えた後で、ヘッドホンをして、
録音をするが、
録音が終わったときには、まず、
ギターをおろして、ヘッドホンでゆっくり音を確認したくなる。
すると、ストラップを装着している場合、
ストラップと、ヘッドホンのケーブルとの、もつれが生じるのである。

ヘッドホンをした頭を、
ストラップを装着したままのギターを、
通り抜けさせようとして、ストラップとヘッドホンのケーブルが、
もつれるのである。

ギターを頭の辺まで持ち上げて、
途中でもつれることに気がつき、一旦、ギターを持ち直して、
ヘッドホンをはずしてから、また、その頭を、ストラップをくぐらせて
ギターをはずし、あらためて、ヘッドホンをする。

でも、本当は、そんなことをしなくても、
手元の、ギターとストラップのジョイント部分を、
その時だけ、はずして、ヘッドホンのケーブルのからまない位置で、
また、取り付けて、ギターをひょいとスタンドに立てかければ、いいだけのことである。

しかし、それだけのことを書くのに、
なぜに、こう、ややこしくなるのか。

あの、ややこしさを、皆さんと、共有したいという、
妙な、一体感を欲している者のようである。

その、絡まったときの、自分が一回転すれば、
ほぐれるのじゃないかと、無意味に回っている可笑しな姿と、
対照的に、さっと、結合部分をはずして、スマートに、
ギタースタンドに立てかける、美しい姿と、
やはり、これは、その両者があるので、
どちらも、楽しいと思えるのであった。

洋司