万葉人は、雨に濡れるのを、とても嫌っていたそうである。
傘もない、着替えも多くないし、濡れてしまうと、
乾くまで時間もかかる。
男性が、女性に、
今日は、雨だから、会いに行けない、
という歌を詠むのである。
女性のところに行かない、口実にも、
していたみたいである。
すると、女性のほうは、
春の雨、たいして濡れるわけでもないでしょ。
雨が7日続いたら、7日も、会わないというの?
などと、歌を返すのである。
7日会えないのを問題にするのが、面白いところであるが、
当時、
多くの日数をいうときに、7日を使ったそうである。
今の、一週間と重なるのであるが、
この7日は、聖書に出てくる7日が、元にあるそうで、
それが、シルクロードを通って、中国に入り、
7というのが、流行った。
仏教でも、7の倍数は、いろいろ出てくるけれど、
そのへんに、影響されているらしい、ということである。
万葉集でも、中国から入ってきた最新の流行ということで、
7が使われたのだろう、と、
このあたりのお話は、中西進先生から、お聞きしたことである。
で、雨にもどると、
雨に濡れたくない万葉人であるが、
そんな歌のやり取りは、しているのである。
誰か、使いの者が、ずぶ濡れになって、行き来したのであろう。
歌を、何に書いてやり取りしたといえば、紙は貴重品だから、
木簡であろう。
墨で書いた文字は、雨に濡れては、にじんでしまう。
苦労もあったろう。
僕も、ごくたまに、雨でずぶ濡れ、ってことが、あるけれど、
すぐ、着替えて、タオルで拭いて、ドライヤーで乾かして、
など、さほど苦には思わなくてすむ。
しかし、着替えもそうない、タオルも、ドライヤーもない、
火をおこすのも、
濡れた手では、なかなかだったであろう当時を思うと、
雨が嫌い、というのも、いわゆるわがままレベルでは、
なくって、切実なことだったろう、と、同情する。
洋司
傘もない、着替えも多くないし、濡れてしまうと、
乾くまで時間もかかる。
男性が、女性に、
今日は、雨だから、会いに行けない、
という歌を詠むのである。
女性のところに行かない、口実にも、
していたみたいである。
すると、女性のほうは、
春の雨、たいして濡れるわけでもないでしょ。
雨が7日続いたら、7日も、会わないというの?
などと、歌を返すのである。
7日会えないのを問題にするのが、面白いところであるが、
当時、
多くの日数をいうときに、7日を使ったそうである。
今の、一週間と重なるのであるが、
この7日は、聖書に出てくる7日が、元にあるそうで、
それが、シルクロードを通って、中国に入り、
7というのが、流行った。
仏教でも、7の倍数は、いろいろ出てくるけれど、
そのへんに、影響されているらしい、ということである。
万葉集でも、中国から入ってきた最新の流行ということで、
7が使われたのだろう、と、
このあたりのお話は、中西進先生から、お聞きしたことである。
で、雨にもどると、
雨に濡れたくない万葉人であるが、
そんな歌のやり取りは、しているのである。
誰か、使いの者が、ずぶ濡れになって、行き来したのであろう。
歌を、何に書いてやり取りしたといえば、紙は貴重品だから、
木簡であろう。
墨で書いた文字は、雨に濡れては、にじんでしまう。
苦労もあったろう。
僕も、ごくたまに、雨でずぶ濡れ、ってことが、あるけれど、
すぐ、着替えて、タオルで拭いて、ドライヤーで乾かして、
など、さほど苦には思わなくてすむ。
しかし、着替えもそうない、タオルも、ドライヤーもない、
火をおこすのも、
濡れた手では、なかなかだったであろう当時を思うと、
雨が嫌い、というのも、いわゆるわがままレベルでは、
なくって、切実なことだったろう、と、同情する。
洋司