この、「今日の出来心」のコーナーは、
2000年の3月7日から、始まっているらしい。

10年目に突入した、ということか。
来年の3月7日で、丸10年。

元々は、MMRから、
普段、久保田洋司が、なにをしているのか、
ホームページ内に、なにか書いてほしいという要望があり、
ならば、とお引き受けした形である。

ただ、活動といっても、文字通り、毎日、「歌を作っている」
では、こちらもつまらないので、
「出来事」ではないことを、書きたい、と申し出た。

そして、それを、毎日書く、と。

タイトルの「今日の出来心」は、
それ以前から、続けていたファンクラブの会報に、
「架空のテレビ欄」のコーナーがあり、
その中で登場させていた架空の番組名を使うことにした。
ニュース番組「今日の出来事」のパロディーのつもりであったが、
今や、「今日の出来事」も、なくなってしまった。

その頃は、今みたいに、ブログなどというものが、
普及はしていなかったと思う。
こういう場に、毎日何かを書き続けている人を、
僕は、知らなかった。

今では、当たり前のことになっているが、
当時としては、毎日書く、というのが、乱暴で、
いいような気がしたものである。
これを、時代が乱暴になったとは、思いたくないが、
たった10年でも、10年前は、非常におおらかだったような気も
しなくはない。

で、
言ったはいいが、MMRも、毎日それを、
ホームページ内にアップしていくのは、
大変だろうなぁ、とちょっと心配したものである。

そのころ、僕にとっては、
パソコンは、音楽制作だけに使うもので、
インターネットなど、遠いものであった。
事務所で、時々、見せてもらう程度のもので、
メールの環境もなかったのである。

毎日、手書きで原稿を、MMRにFAXした。

現在は、メールしたものを、アップしていただいている。

最近は、僕も改行して送るようになったが、
ちょっと前までは、それもMMRにお任せしていた。

便利になればなるほど、
それまでなんでもなかったことが、手間にも思えるものである。

つまり、今、
「FAXして、毎日送るから、
毎日、それを、アップしてね」、などと、
言う荒くれさは、僕には、ないような気がする。

「10年、毎日続ければ、なんでも、ものになるものだ」
と、どなたかが言っていた、と、
どなたかがテレビで、言っていたが、
「今日の出来心」を、ものにしようと思ってやっているのでは、
ないのである。

洋司