幻覚、楽しんでいるのである。

麻酔や薬などで幻覚を見、
非常に怖かったのだ、というお話を、
時々聞くのであるが、
僕の場合は、ナチュラルであるからか、
楽しく、かわいらしいものが多い。

先日は、イソギンチャクの大きいようなのが、
真っ暗な部屋に、白く発光しながら、いて、
海の底のようであった。

目が、まだ暗闇に慣れる前の、
真っ暗闇でも、白く光って見えるものがあるのは、
不思議なことであるが、
その光とは、もちろん、熱を発しながら光るものでもなく、
LEDでもなく、
その発光方を、何かにいかせないかと、
考えたりするのであった。

幻覚は、意識がはっきりした時に、見るが、
幻聴は、ぼーっとしかけた時に、聞こえてくることが多い。

突拍子もないことを言われたり、
思いがけない音楽が流れたりする。

子供の頃に、寝ようとすると、
いろんな音楽が、聞こえてきて、楽しかったのであるが、
ある日、「およげ!たいやきくん」が聞こえてきた。
これは、さすがに、近所の誰かが、
レコードをかけてるんだろうと、思った。

翌日、近所の子たちに、
昨日夜遅く、「およげ!たいやきくん」
かけてなかった?
って、聞いて歩いたが、
誰も、かけていたとは、言わないのである。

恥ずかしかったのかもしれない。

洋司