ギタースタンドに服が引っ掛かったりして、
ギターが倒れそうになるのである。

それを、なんとか倒れないようにとあせって、
変な形で、足を延ばそうとすると、
それで、別のギタースタンドを蹴飛ばして、
たまたま、そこには、ギターが置いていないので、
それは助かったとしても、
指の先で蹴飛ばしたもので、思いがけず痛く、
また、今まさに倒れんとする、ストラトキャスターは、
ゆっくり、ずるずると、絨毯の上に、寝転んで、
Eマイナーsus4の音を鳴らすのであった。

そうかそうか、と抱えて、なにやら弾き始める。
2月には、素敵に弾きこなしたいフレーズが、
まだ、未完成である。

しかも、そうばかりもしておれぬ、
ありがたいスケジュール。
名残惜しいが、ストラトキャスターは、
さっと、スタンドに戻し、
取り掛かるべきことに、こつこつと
励むのであった。

洋司