万葉集の歌を、自分で読んでみても、
ただ、通り過ぎるようなことが、
多いのである。

先生のお話をうかがって、やっと、
その面白さに、少し気付き、

関連する中国の詩、
というものがあることを知り、

作者のことを知り、

奥深いところを知り、

遠い万葉の頃へと、
すーっと心が旅をするのであった。

そうすると、少しずつであるが、
ただ、通り過ぎるだけでもなくなってくるような、
気がしてくる。

面白いなぁ、と思っても、
その、面白いところを、
こういうところに、
簡単に、説明することができない。

万葉集の歌そのものが面白いのは、
もちろんのことであるが、
僕のような、素人には、
先生のお話が、面白くて、
それで、やっと、万葉集の歌に
気が付くのである。

ぼーっとしていて、
かわいそうになってくるのである。
いや、楽しい意味で。

洋司