リハーサルでくたくたでも、夜走りに出ると、復活するのであった。走っているあいだに、忘れるのかもしれない。途中に、大きな木があって、毎日話しかけるのである。万葉の頃は、自然と人間には区別がなく、心をもって通じ合う、とか、自然を介して離れた人とも心がつながっている、などと考えられていたのである。アフリカのファンタジーで「ブッシュ・オブ・ゴースト」というのを読んだことがあるけれど、それにも、同じようなことが書いてあった。世界中の木は、会話をしているのだと。そういうことは、違うとは言い切れないことかもしれない。そういえば、明日香村の石神遺跡から出土した七世紀後半の木簡に、万葉集に登場する歌が書かれていたことがわかったと、新聞に出ていた。こういうことがあると、また、まわりでそういう話題が出たりするので、楽しみである。
洋司
洋司